雨上がりの午後
Chapter 222 君が傍に居ない時間−その5−
written by Moonstone
目覚める。まず隣を見る。晶子は居ない。次に身体を起こして台所の方を向く。やっぱり晶子は居ない。
晶子が姿を消して3日目。そして晶子が居なくなって初めて迎える月曜。バイトは定休日で休みだし、大学も春休みだからいく必要はない。今は・・・8時。
寝た時刻は憶えてないが、すんなり目が覚めたのに気分はスッキリしないことは間違いない。
アラーム代わりに枕元に置く癖がついた携帯で時刻を見た。続けてメールの確認。メールは・・・来てない。か。電話の着信履歴もなし。幾ら俺とて、直ぐ傍で音楽が
鳴り始めたら起きるだろう。着信音は電話もメールも大人しい部類だが音量は割と大きめにしてあるからな。何時でも連絡を取れるはずの携帯が、なくても変わりないものに
なっちまってる。相手が居てこそのメールであり電話だということが改めて分かる。当たり前なんだろうけど、こうならないと意外に気付かない。
携帯があるのとないのとで違うことと言えば、暇潰しの道具があるかどうかくらいだ。携帯の着信音入力は、店で使う演奏データつくりと比べると出鱈目に面倒だから
その分時間がかかる。だが、その分暇潰しにはなる。朝飯をとっとと済ませて、時間の流れに任せてぼんやり過ごそう。
今までは、独りの朝飯はトーストと決まっていた。単調になるとどうしても面白みがなくなる。冷蔵庫を見る。野菜がそれなりにある。・・・サンドイッチでも作ってみるか。
レタスだけじゃ見た目にも侘しいからトマトも加えよう。
まな板を流しの横に置いて、トマトを切る準備をする。トマト1個をまず半分に・・・。よし、出来た。半分を使って、残り半分はラップで包んで冷蔵庫に仕舞う。
さて、ここから薄めにスライスしていくのは・・・難しそうだな。晶子はすいすい切っていくけど・・・。多少厚くても死にはしないし、適当で良いか。切れそうな厚みのところに
包丁を合わせて下に落とす。・・・うん。まあ、こんなもんだろう。・・・あ、ヘタ取るの忘れてた。ヘタが残った部分を包丁の刃先でカット。不恰好だが別に良い。
ヘタを流しの三角コーナーに捨てて、冷蔵庫から食パンを2枚取り出す。1枚に薄くマヨネーズを塗って、そこにレタスとトマトを載せる。最後に塩を軽く振りかけて
もう1枚の食パンで挟む。これをオーブンで1分ほど焼く。チン、という甲高い合図を受けて取り出す。・・・うん。良い感じ。・・・あ、飲み物作るの忘れてた。インスタント
コーヒーで我慢するか。
どうにか揃った、ちょっと華やかな朝飯。料理に慣れた人が見たら「この程度でか」と思うだろうが、別に構わない。俺にとっては十分なもんだ。
一口食す。・・・うん。問題なく食べられる。トマトが毀れ出さないように気をつけながら食べ進める。時折コーヒーを口にしつつ。手際が悪かったが、誤差というほど
深刻なもんじゃないし、次に生かせば良い。
食事を済ませて、皿とカップを流しに運んで片付け。直ぐにやっておかないと余計に面倒になる、と晶子は言っていた。面倒と思いつつも片付けをしておく。
済んでしまえば呆気ないもんだったりする。これで朝飯は終わった。ついでに顔と歯を洗っておく。多少スッキリしたような気がする。枕元に置いておいた携帯を手にとって、
デスクの椅子を引いて腰を下ろす。思わず溜息。
心にぽっかり穴が空いて、そこを風が吹き抜ける感じ・・・。俺が一昨年帰省した時、晶子はこんな気持ちだったんだろうか・・・。
晶子、元気にしてるかな・・・。身体壊してないかな・・・。
俺が帰省した時は1日1回とは言え、電話をすれば話が出来た。でも、今は電話をしても通じないし、電話の代わりでしかも明確に残るメールも読まれたかどうか
分からないと来る。携帯があっても、これじゃ意味ないよな・・・。
・・・。
俺は携帯を開いて、新規メールを作成する。
送信元:安藤祐司(Yuhji Andoh)
題名:晶子はどうしたいんだ?
今日も朝起きてまず、晶子が居るかどうかを確認した。昨日俺がバイトから帰るところを見ていたかもしれないが、田中さんを駅まで送っていった。このご時世、夜遅くに女性1人で外を歩くのは危険だからな。それ以上でもそれ以下でも、それ以外でもない。
田中さんが昨日も来店したのは、俺に会うためだと言った。話に聞いていた俺の真面目さや誠実さが本物だと思ったこと。そして、俺と居ると安心出来る、とも。言葉巧みに誘導するつもりかと思って視線を逸らしたが、田中さんは、誘導に感じるならそれはからかいや遊びに属するものじゃないと言った。田中さんは多分・・・本気なんだと思う。
俺は晶子を愛してる。この気持ちは変わらないし、田中さんに乗り換えるつもりもない。だけど、晶子は俺からいきなり逃げ出して閉じこもって、どうしたいんだ?俺が何時までもつか、試しているつもりなのか?気持ちを試されるのは・・・御免だ。晶子にそのつもりがなくても、このまま気持ちを試され続けていれば、やがて俺の気持ちは晶子から離れていくと思う。自然消滅と言うのか・・・そうなるように思う。
このメールを晶子が何時読むのか分からない。メールを読んだことを知らせる機能はないからな。だけど、声と違って履歴が残るメールだから、あえて言っておく。待つことは待つ。だけど、何時まで待てるかは分からない。気持ちを試されるのは御免だ。
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読み返してみると、かなり挑戦的だな・・・。気持ちを試されるのは嫌だと言いながら、別れたくなければ戻って来いと晶子に決断を促すようでもある。
・・・だが、これ以上先の見えない待機は・・・出来そうにない。送信する。送信完了の画面を見て携帯を畳む。果たして晶子がどう行動するか、否、メールを読むのかどうか・・・。
滞り気味だったデータ作りを始める。携帯の着信音候補「Stay by my side」は今の問題が決着するまで保留だ。晶子が戻ってくるなら制作を再開する。戻ってこないなら
破棄する。何故なら・・・必要なくなるから。
夕飯は、データ作りをしていて腹が減ったと思った時間に自分で作って済ませた。ご飯に味噌汁、野菜炒めに鶏肉を蒸し焼きにしたもの。冷蔵庫にあった野菜を
適当に切って適当に塩コショウをして炒めた。鶏肉は中まで火が通ってないと危険だと晶子から聞いたことがあるし、蒸し焼きにするのをよく見たから、その要領でやってみた。
片方がちょっと焦げたが中まで火は通っていた。醤油をかけて食べたら結構美味かった。
食べ終えて直ぐ後片付け。後で良いかと一瞬思ったが、先送りにすると余計に面倒になるのはやっぱり晶子から聞いていたし、俺自身そうだと実感してるから
面倒くさく思う気持ちを押し殺してやった。済んでしまうと呆気ないもんだ。デザートなんてたいそうなもんはないから、先に歯を磨いておいた。
その後データ作りを再開。1曲がひととおり出来た。出来て直ぐ投入するのは何となく惜しいから、週明けくらいに出そうかと思う。ひと段落したからコップに
水を汲んで飲む。時折車の音が近づいて遠ざかる以外音のしない、静かな部屋。独りで過ごすのは、晶子が居ない暮らしは馴染んでしまえばそれなりに生きられる。
料理も「出来ない」「失敗する」という意識があったし、晶子の料理が美味かったからあんな美味い料理は作れないというある種の劣等感があった。けど、雑な切り方でも
調味料があればそこそこの味にはなるし、食べてしまえば不揃いな形はどうでも良くなる。多少焦げても食べられる味なら気にならない。意外にやってみると出来るもんだ。
静まり返った室内でデータ作りとギターの練習に没頭する。客層が若いことを考えてロック調の曲を複数投入する予定でいる。丁度T-SQUAREがロック調ナンバー一色の
アルバムを出していたから、そこから良さそうなものをピックアップした。データがひととおり出来たのは「PRINCE VLAD」。ロックは高校時代のバンドでたしなんでいたから、
ちょっと懐かしく感じる。
ふと携帯で時刻を見たら23時を超えていた。そろそろ風呂に入るか。どうも俺は夜更かしする方にシフトしていくし、休みだからって昼夜逆転の生活をしていると
大学が始まってからが大変だからな。データをセーブしてからシンセやPCの全部切って、風呂の準備。栓が閉まっているのを確認してボタンを押すだけだから準備と言うほど
たいそうなもんじゃないが。
再び椅子に座ったところで、何やら外に人の気配を感じる。インターホンが鳴る。宗教の勧誘か?どうも宗教や新聞は懲りない人間が多いらしくて、退散させても
人が変わって何度でもやって来る。どちらも夜や休日を狙ってやって来るから余計に始末が悪い。その方が居る確率が高いからなんだろうが、来られる方は呼んでも
居ないし来て欲しくもないから、良い迷惑でしかない。ドアチェーンをかけているのを確認してから、鍵を外してドアを開ける・・・!
「晶子?!」
人違い・・・じゃない。ベージュのハーフコートと黒のボストンバッグは、服を交換しに行った最近の時のものだし、何より・・・茶色がかった長い髪と忘れられない顔。
両手にボストンバッグをぶら下げた晶子は、俯きながらチラチラと俺を見る。横からマスターと潤子さんが顔を出す。
「こんばんは。」
「マスター・・・。潤子さん・・・。」
「晶子ちゃんが、祐司君のところに戻りたい、戻らせて欲しい、って。」
ばつが悪そうな晶子に代わって潤子さんが言う。いきなり居なくなってから何の音沙汰もなかったと思ったら、いきなり戻りたい戻らせて欲しいと言い出すとは・・・。
方針が180度変わるってこういうのを言うんだとつくづく思う。いったい何があったんだ?
「どうして祐司君の家に戻ることにしたのか、そういったことは井上さん本人から祐司君に話すのが筋だと思う。井上さんもきちんと話をしたいと言っている。」
俺の言いたかったことをマスターが代弁する。いきなり家を飛び出したのは晶子だし、戻りたいと言い出したのも晶子だ。俺は兎も角、マスターと潤子さんを巻き込んでまで
閉じこもった理由、なのにこれまたいきなり180度方針転換をした理由を聞きたい。否、話してもらいたい。晶子はそうするつもりだと言う。なら、話してもらおう。
・・・その前に、1つ関門を乗り越えてもらうか。
「だから、許す許さないはとりあえず脇に置いて、井上さんの話を聞いてやってくれないか?」
「・・・晶子。」
「はい。」
呼びかけると晶子は返事をする。しかし、まだ顔を見詰められずに居る。親や教師に叱られる子どもみたいだ。
「此処の鍵、持ってるよな?」
「あ、はい。」
「じゃあ、大丈夫だな。」
俺はそう言って、ドアを閉めてドアチェーンを外し、鍵をかける。これが晶子に乗り越えてもらう関門。自分から出て行ったのなら、自分から入ってきてもらう。
鍵を外すところから始めて。ドアチェーンを外す音は聞こえる筈−意外に大きな音がする−だし、晶子が分からなくてもマスターと潤子さんのどちらかが俺の心意を
察するだろう。
俺が玄関先を照らすキッチンの電灯を点けて玄関先で待つ中、外のやり取りが断片的に聞こえる。「ありがとうございました。おやすみなさい。」という晶子の声で
やり取りは終わる。少しの沈黙の後、鍵が外れてドアがゆっくり開く。開いたドアから、晶子がゆっくり入って来てドアをそっと閉める。鍵をコートのポケットに仕舞って
ボストンバッグを両手にぶら下げた晶子は、まだ俺と視線をまともに合わせられない。
「祐司さん・・・。その・・・何て謝ったら良いのか・・・。」
「・・・。」
「怒って・・・ますよね・・・?いきなり出て行ったと思ったらいきなり戻ってきて・・・。何考えてるんだ、って思ってますよね・・・?勝手なことをした、って反省・・・してますけど・・・、
説得力は皆無・・・ですね。」
「・・・挨拶は?」
「え?」
「あ・い・さ・つ・は?」
俺は晶子の弁明を遮って、晶子の鼻頭を人差し指で軽く突く。きょとんとした様子の晶子は暫く視線や首を忙しなく動かし、やがて動きを収束させてようやく
俺の顔をまともに見据える。
「・・・ただいま。」
「・・・おかえり。」
言い訳より先に言って欲しかった一言に、俺は安堵半分呆れ半分の微笑みと共に返事を返す。晶子の瞳が見る見るうちに潤み、ボストンバッグを放り出して俺の胸に
飛び込んでくる。俺は危うくバランスを崩しそうになるがどうにか持ちこたえて、泣き始めた晶子を優しく抱き締める。
「御免なさい・・・。御免なさい・・・。私・・・、私・・・、祐司さんにしてはいけないことを・・・してしまってました・・・。自分の心が混乱したことを・・・口実にして・・・。
私は祐司さんの元から逃げ出して・・・閉じこもることで・・・祐司さんが何処まで耐えられるか・・・試してたってことが・・・。祐司さんの心を・・・試すようなことを
してしまっていたことが・・・。祐司さんからのメールを全部読んで・・・ようやく・・・分かったんです・・・。」
「メール、読んだんだな・・・。」
俺の確認に、晶子は俺の胸に顔をうずめて泣いたまま頷く。
「毎日・・・お店が終わってから・・・読んでたんです・・・。毎日1通・・・祐司さんからのメールがあって・・・、読んでました・・・。祐司さんがどんな心境なのか、何をしてるのか・・・、
よく・・・分かりました・・・。」
「・・・。」
「今日のメールを読んで・・・ようやく・・・気付いたんです・・・。私は・・・祐司さんを試すようなことをしてるって・・・。田中さんの台頭が・・・怖くなって・・・逃げたのに・・・、
田中さんが・・・それを好都合と思って・・・祐司さんに本気でアプローチを始めたってこと・・・。祐司さんの気持ちが・・・私に向いてるのを分かっていながら・・・、
祐司さんを分からなくしてたってこと・・・。」
嗚咽の中に混じる言葉は、俺が今日までに送ったメールに込めた俺の意思を汲んでいる。前夜俺を激しく求めて愛情を確認しておきながら、いきなり逃げ出して
閉じこもって、電話もメールも通じないし返事が届かない。自分からそんな状況に追い込んでどうするつもりだったのか。自分から警戒する田中さんに俺に接近する
余裕を与える、言葉を替えればみすみす俺を手放せる状況を演出していたことの重大性が分からなかったんだろうか。
・・・止めておこう。言うのは。思うところは色々あるが、晶子は3日目で戻ってきた。前のように試される一方で終わりにならずに、俺の元に戻ってきたんだから、
それで良いじゃないか。また・・・2人の生活に戻れるんだから。
「風呂、入ったか?」
説明が終わっても尚嗚咽を続ける晶子に問いかけると、晶子は俺の胸に顔をうずめたまま首を横に振る。何時戻ろうと、戻りたいと思ったか分からないし、戻る準備も
あっただろうから、風呂に入ってないだろうと思ったんだが、丁度良かった。
「風呂の準備したところだから、沸いたら先に入れ。風呂に入れば落ち着くだろうし。」
晶子は俺に抱きついたまま首を縦に振る。顔は俺の胸にうずめたままだから表情は見えない。まだ嗚咽は続いているが、少し収まってきた。本当に子どもみたいだ。
こんな晶子を見ていると、問い質したり怒ったりする意思が失せていく。「涙は女の武器」と言うが、涙だけじゃなくてこんな子どもっぽいところも合わさると「武器」になるんだろう。
やれやれ。マスターと潤子さんも巻き込んで大騒ぎさせておいて・・・。呆れての溜息を吐きながら俺の胸の中で泣き続ける晶子を抱き締める。ここで「お前の気紛れに
付き合ってられない」とか言ったり突き放したり出来ない俺は、「女慣れ」した奴から見れば甘いことこの上ないんだろう。俺自身甘いと思う。だけど、自分の胸に顔をうずめて
自分の背中に両腕を回して泣いている晶子を見ていると、抱き締めていると、そんなことは出来そうにない。甘いから出来ないなら、甘いままで良い。
晶子、俺の順で風呂に入り、消灯してベッドへ。3日ぶりに見る晶子の顔は何も変わっていない。消灯の前に泣き腫らした目が充血しているのを見たが、暗くなった
室内では見えない。瞳には俺の顔だけを映している。晶子からは何も喋らないでいる。聞かれたら答えるという意志表示だろうか。
「・・・ずっと、マスターと潤子さんの家に居たのか?」
「一歩も出ませんでした・・・。」
こくんと頷いてから補足する。田中さんは別のところに居るかもしれない、と言っていたが、今の晶子が嘘を言うようには思えない。こんなところが甘いんだろうが。
「俺からのメールは、何時読んだんだ?」
「その日が終わって寝る前、大体午後11時半頃です。その度に祐司さんからのメールがあって・・・、読んでました。今の祐司さんはこんな心境なんだな、とか思いながら・・・。」
「今日は読むのが早かったのか。」
「はい。お店がお休みでしたし、マスターと潤子さんは昼間テニスに出かけていたので、早めに寝ることになっていたんです。お風呂の前に祐司さんから今日送られていた
メールを読んで・・・、祐司さんの元に戻りたいとお願いしたんです。」
マスターと潤子さんは休日にテニスをするということは、俺がバイトを始めて間もない頃にも聞いた。マスターは意外だが、潤子さんに誘われて始めたと言っていた。
マスターと潤子さんもいきなり転がり込んできた晶子を終日面倒見てられないだろうし、晶子に留守番をさせておけると思ったのかもしれない。
それでさあ寝るかとなったところで晶子が戻りたいと言い出したんだから、内心迷惑に思っているだろう。それでも自分一人で行け、と言わずに送り届けて、
俺との間に入って緩衝材の役割を担ったんだから、面倒見の良さに感謝しないといけない。
「いっぱい・・・迷惑かけてしまいましたね・・・。」
「俺だけならまだしも、マスターと潤子さんまで巻き込んだんだ。・・・謝ったか?」
「はい。自分の気持ちに自信を持ちなさい、って潤子さんに怒られました。」
「その程度なら、怒られたうちに入らないな。」
「・・・御免なさい。」
晶子は申し訳なさそうに謝る。悪いことをしたと思ってるんなら良い。マスターと潤子さんの寛大さに改めて感謝。明日バイトに行った時に俺からも礼を言っておかないとな。
「もう・・・逃げるなよ?」
「はい・・・。」
晶子は俺に擦り寄って抱きつく。間近で聞く規則的な呼吸音。左脇腹に感じる独特の弾力。3日間感じなかった晶子の存在を示す証拠が、何時も以上に愛しい。
左手で晶子の頭を抱え込む。今度目が覚めたらまた居なくなってた、なんてことのないように・・・。
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