雨上がりの午後
Chapter 63 出会いの記憶、温もりに漂う心
written by Moonstone
その女性は家を出て近くのコンビニへと自転車を走らせる。お茶菓子を買うついでにコンビニ近くの本屋にも寄る腹積もりらしい。
・・・やっぱり何処かで聞いたことがあるような気がする。
兎も角、俺はスクロールバーの空白部分をクリックしながら、物語を読み進める。
主人公の女性は−まだ名前は分からない−コンビニでお茶菓子を適当に見繕って籠に放り込み、レジへと向かう。
買いだめするタイプらしくかなり買い込んだ。
そしてレジで計算待ちをしている間に、もう一つのレジに男がやってくる。
その男はふわっとした感じのありふれた髪型、不機嫌なのかやや鋭い感じがする瞳、チェック模様の長袖シャツに紺の綿パンツの
主人公と同じくらいの年代らしい・・・。
な、何?こ、これって・・・もしかして・・・。
「晶子・・・。」
「だから前に言ったじゃないですか。半分私小説みたいなものだって。」
晶子が恥ずかしそうに言う。半分どころか・・・これはまるっきり俺と晶子の出会いの瞬間じゃないか!
尚も読み進めていくと、その男に向かって主人公が驚きの声を上げて口を手で覆う。
「あの人にあまりにも似てる・・・。」
その場面にはそんな記述がある。
レジの計算が終わり、主人公はジーパンのポケットから財布を取り出して千円札3枚を差し出す。
男は先にレジを済ませ、主人公に目を向けることなくその後ろを過ぎ去っていくとある。
・・・やっぱりこれは俺と晶子が出会ったコンビニでの場面だ。間違いない。
俺もあの時晶子が驚きの声を上げて口を覆い、改めて俺の顔をまじまじと見詰めたということがあったから、鮮明な記憶が残っている。
その記憶と照合しても、この場面の描写は立場を変えただけでぴったり一致する。
尚も読み進めていくと、主人公の女性はレジを済ませ、コンビニの雑誌を手に取って少し立ち読みした後、外へ出て自転車の鍵を外して本屋へと向かう。
自転車置き場に自転車を置いて鍵をかけた後、出入り口正面に立ったところで、「さっきコンビニで会った、あの人にあまりにも似ている」男と
再び出くわし驚きの声を上げる。
・・・あの時、俺は宮城から一方的に別れ話を切り出され、荒れに荒れていた時だ。
「その人は、私をまるで汚いものでも見るような、忌々しげな目で私を睨んだ。」
その場面ではそういう記述がある。実際、晶子をそんな目で見ていたかもしれない。
『俺の顔に見覚えでもあるの?』
『あ、貴方がどうして此処に・・・?』
『はあ?!』
主人公と−もう晶子と言っても良い−その男の−これは俺に間違いない−間で会話というか、やり取りが交わされる。
そう言えば、本屋の出入り口で二度も俺の顔を見て驚いた晶子を訝しく思い、ぶっきらぼうな物言いをした覚えがある。
『あんた、さっきコンビニでも会ったよな?』
『・・・え、ええ。』
『一体何のつもりか知らんが、人の顔見て何度も何度も驚くな。そんなに珍しい顔してるか?』
そのやり取りに続いて男の描写がある。
「見るからに私に恨みでもあるかのような、そんな目で私を見ている。その声にも徐々に苛立ちか、
或いは私が誰とも知らぬ相手への深い憎悪が混じってくる。この人・・・やっぱりあの人じゃない。」
そう記述されている。
昔の自分を文字のビデオで見ているようで何だか気恥ずかしい。
あの時の俺は尋常じゃなかった。何もかも薄汚い灰色に見えて、女や恋愛が限りなく疎ましく思った時期だ。
晶子から見て俺は鬼か何かかに見えていたんだろう。
事情があったにせよ、初対面の−正確には二度目だが−相手に対する言動じゃないな。今更悔やんでももう遅いが。
『これだけは言っておくがな、俺はあんたに見覚えはないし、驚かれる覚えもない!全く・・・何だって言うんだ!』
『・・・人違いでした。すみません。』
『ふん!』
「その人は疎ましげに鼻を鳴らすと、私を無視して本屋を出て行った。どうしてそんなに怒っているんだろう?
私には分からないけど、何か事情があったに違いない。でなければ、初対面の−正確には二度目だけど−相手にあんな言い方はしない筈。
一体何があったのか、無性に知りたい衝動に駆られた・・・。」
一方的なやり取りの後にそんな記述がある。もうこの頃から晶子は俺に興味を抱いていたということか。
一過性のものだとろくに気にも留めなかった−でも、しっかり覚えていたりするが−俺とは随分対照的だ。
でも一つ腑に落ちない点がある。
俺が晶子の兄さんに似ているという話は何度も聞いたが、どうしてこの小説では「あの人」と書いているんだろう?率直に「兄」と書けば済むことなのに・・・。
まあ、事実を元にした私小説なんだから、何もかも本当のことを書く必要もないか。
それに「あの人」と表現した方がより強い想いが会ったことを感じさせるしな。気にするようなことじゃないだろう。
・・・でも、やっぱり引っ掛かるのは事実だ。
それから暫くChapter1を読み進めていくと、晶子から見た3度目の出会いが−大学の一般教養の心理学があった講義室でのことだ−描かれたところで終っている。
俺が智一の制止を振り切って講義室を飛び出した時、
「彼は昨日出会った時と同じように、もの凄い鬼のような形相で、恐怖に固まった私の横を通り過ぎ、講義室を出て行こうというのか、
出口へ向かって一直線に向かった。後ろの方で空席を探していたらしい人だかりがさっと道を開けた。
あの表情が迫ってきたら恐怖を感じて道を開けても無理もないだろう。」
と描写されている。
・・・あの時の自分の荒れ様を文字放送のビデオで見せられているようで歯痒いというか、みっともない様だと改めて思う。
俺は晶子の右手を覆っていた手をどける。恐らくこの後も俺と晶子との立場を換えた形で事実が小説仕立てで展開されていくんだろう。
これ以上自分の無様な様を客観的に見せられるのにはちょっと耐えられない。晶子に対する罪悪感がどうしようもなく大きく膨らんできたからだ。
「・・・もう良いよ。ありがとう。」
「続き、読まないんですか?」
「ん・・・何て言うか・・・自分のあの時の情けない荒れ様を見せ付けられるのが恥ずかしくてさ・・・。」
「仕方ないですよ。祐司さんが荒れてたのは。私も失恋した時を今思い出してみると結構恥ずかしく思えますから。それより・・・出来はどうですか?」
晶子に問われて俺は描写や表現を思い出しながら−みっともないという気分はまた大きくなってきたが−考えを纏めて晶子に言う。
「良かったと思う。主人公の心理描写を中心にした話の進め方が結構面白かったし、相手、ってまあ俺のことだけど、その時の状況が良く分かるし。」
不安げに曇っていた晶子の表情がぱあっと晴れ上がる。
自分だけの中で書き進めてきた私小説とはいえ、他人である俺に見せた以上、その反応が気になるのは当然だろう。
小説を書いたことはなくてもそれくらいは分かる。
「嬉しいか?やっぱり。」
「ええ。自己満足の世界で書いてきた私小説とはいっても、人様に読まれて誉められると嬉しいですよ。」
「俺の評価はあんまり当てにならんぞ。高校の時、国語と古文は大の苦手だったからな。」
「へえ。そうなんですか。」
「今思うと、受験勉強で頭に無理矢理詰め込んだってのもあるけど、それでよく大学に入れたなって思うよ。」
「私は祐司さんとは違って物理や化学が苦手で・・・。今の大学に入れたのは殆ど国語と英語で点数を稼いだと思いますね。」
「物理や化学か・・・。それまで苦手だったら俺は迷わず就職組に入ってたな、きっと。」
国語も古文も苦手、英語が及第点、といった俺は、数学と物理化学が出来なかったら、実家か他の会社に「就職」するしかなかっただろう。
そういう意味で俺はぎりぎりで、まさに綱渡りで今の大学に入れたと言って良いだろう。
俺と晶子は顔を見合わせてくすくすと笑う。
共に失恋という痛手と受験という壁を乗り越えた俺と晶子の絆は、ある意味同じような経験を味わった連帯感が中枢を占めているのかもしれない。
ピピピッ、ピピピッ、ピピピッ
ドアの向こうから少しくぐもった、でも甲高い電子音が聞こえてくる。風呂の準備が出来たという合図だろう。
俺の家のと比較しても1回の電子音の周期が違うくらいだ。
晶子はすっと立ち上がって、御免なさい、と一言断ってから俺の足を跨いで急ぎ足でドアの向こうに消える。別に断りを入れる必要もないのに・・・。
まあ、そういう几帳面なところが俺にはないところであって、それが同時に晶子の魅力でもあるんだが。
ドアの向こうから微かに何やら物音がする。バスタオルとかの準備をしているんだろう。実はバスタオルは共用・・・なんてことはないよな、きっと。
・・・全く何を想像、否、妄想してるんだ、俺は・・・。
少ししてトタトタと床を走る音がして、ドアが開いて薄手のセーターの袖を少し捲った晶子が姿を現す。
何で袖を捲ってるんだろう?湯加減を確かめてたんだろうか?
俺の家のもそうだが、今の風呂は大抵、設定した温度に湯加減を調整してくれるというのに・・・。
それともバスタオルとかを出したりするのに邪魔だから捲っただけかもしれない。何にせよ、それ程気に留めるようなことじゃないな。
「お風呂の準備できましたよ。祐司さん、お先にどうぞ。」
「俺から?」
「だって祐司さんはお客さんですから。普通、お客さんに先にお風呂に入っても貰うでしょ?」
「まあ、そう言われればそうだな。」
とは言ったものの、自分が客だという意識は極端に薄い。
実際立ち上がろうとしてもクッションを通して根を張ったみたいで思わず掛け声を上げそうになるし、クッションも「指定」のものだし・・・。
晶子に言われてようやく客とは認識したものの、いまいち実感が湧かない。
此処が女性専用じゃなかったら、こうして同居が既成事実化していくかもしれない。
否、多分そうなるだろう。前に晶子は俺との同居の希望を口にした「前歴」があるしな・・・。
「それじゃ、お言葉に甘えて・・・。」
「祐司さん、お風呂どのくらい入ります?」
「んー、大体10分くらいかなぁ。実家じゃ烏の行水って言われてたくらいだし。」
「そうですか。それじゃ途中から一緒に入るのは無理ですね。」
「なあ?!」
仰天した俺は思わず妙な声を上げる。
俺が風呂桶にのんびり浸かっている最中に、前をタオルで隠した程度の晶子が入ってくる・・・。
そんな場面を想像、否、妄想していると鼻血が出そうだ。本当に出そうな感じがした俺は、鼻と口を手で覆う。
「冗談ですよ。」
「あ、そ、そうだよな。冗談だよな。ははは・・・。」
俺は照れ隠しに頭を掻いて、晶子の居るドアへ向かい、晶子の横を通り過ぎようとする。
その瞬間、俺の耳に辛うじて聞こえる程度の囁きが飛び込んでくる。
「何時かは一緒に入るんでしょうね・・・。」
あまりに唐突な囁きに俺は思わず聞き返しそうになるが、また晶子に冗談だとかわされると思って、俺はそのまま風呂場へ向かう。
まったく俺の想像、否、妄想のネタを提供するのは止めて欲しいものだ。もし俺が本気にしたらどうするんだよ・・・。
何時ものように頭と身体を洗ってから、湯船に身を浸す。丁度良い湯加減に思わず深い溜息が出る。
こうしていると本当に此処が晶子の家だという感覚が拍車を掛けて薄らいでいく。自分の家の湯船に浸かっているのと気分的には殆ど変わらない。
音のしない小ぢんまりとした空間。俺は腹の中に溜まってきた溜息を吐く。
益々他所様の家の風呂場という認識が薄らぐ中、俺はすれ違い様に耳に引っ掛かった晶子の囁きを反芻する。
一緒に風呂に入る・・・。このまま俺と晶子の仲が深まれば、そうなる可能性は否定できない。何せ晶子は俺との同居の希望を口にしたくらいだ。
そうでなくとも俺が音楽のプロを目指すことにすれば、必然的に晶子と生計を共にすることになるだろう。
下積みでろくに収入が期待できないであろう俺は、晶子が前から言っているように晶子に支えてもらうしかないんだから。
でも・・・晶子に完全に依存して良いんだろうか?
晶子のことだ。今の痛いほど一途な想いが続く限り、音楽のプロを目指す時は俺を支え続けてくれるだろう。
だが、その想いが必ずずっと続くという保証は何処にもない。
晶子の気持ちを疑うつもりは毛頭ないが、この世に絶対というものが存在しない以上、晶子にべったりというのは問題があるんじゃないか?
ならどうする?「流し」の間にアルバイトを挟むのか?
それこそストリートミュージシャンになって当てのない収入に期待するのか?
それとも今のバイトを続けて何処かのプロダクションの目に止まるのをじっと待つのか?
そもそも俺に音楽のプロになるだけの腕前があるのか?
確かに前には満員に近い客から大喝采を浴びたが、それはあくまで演奏した曲がよかったからであって、
俺の演奏そのものが共鳴を呼んだんじゃないかもしれない。
その証拠にマスターも潤子さんも、そして晶子も演奏したり歌ったりする度に拍手喝采を浴びるじゃないか。
マスターや潤子さんの腕前は玄人裸足だと思うし、晶子の歌唱力も右肩上がりだ。
そんな中でたまたま客から大喝采を浴びたくらいでプロになりたい、否、なれたら良いな、と思うこと自体が思い上がりも甚だしいんじゃないか?
・・・俺は・・・何処へ進むべきなんだろう・・・?
「祐司さん、大丈夫ですか?」
ドアの向こうから聞こえてきた晶子の声で俺は我に帰る。
湯煙に霞んだドアの向こう側に晶子のシルエットが見える。どうしたんだろう?
「ああ、大丈夫だけど・・・、どうして?」
「だって祐司さん、10分くらいしかお風呂に入らないって言ってたのに、もう20分以上入ってるから、寝てるのか逆上せちゃったのかと思って・・・。」
また思考の泥沼に嵌って沈んでいたのか。それも頭や体洗ったりした時間を除いて−こんなものはせいぜい5分程度だ−20分近くも・・・。
それで晶子に心配をかけてしまうなんて、俺も罪作りな奴だ。カッコツケじゃなくて嫌な意味で。
俺はもう晶子に依存しないといけなくなっているんだろうか?そう思うと益々自分が情けなく、そして小者に思えてならない。
「大丈夫。物思いに耽ってただけだから。もう出るよ。」
「そうですか。じゃあリビングに戻りますね。」
「ああ。・・・済まない」
最後はどうしても音量が下がってしまった。
心配を掛けたことを詫びることさえまともに出来なくて何がプロだ・・・!自分の情けなさが怒りに変わる。
俺は立ち上がって湯船から出て、ドアの向こう側に晶子の気配がないことを確認してドアを開けて外に出る。
約40度の湯と蒸気に満たされていた空間から出ると、急に肌に突き刺さるような冷気が襲ってくる。
俺は急いで薄いブルーのバスタオルを手に取って手早く頭から順に体の表面の水分を拭き取り、脱衣籠に入れておいた服を着る。
下着も替えたいところだが、突然晶子の家に泊まることになったから着替えなんて持ってる筈がない。それに1日くらい下着を替えなくても死にはしない。
髪型なんかにこだわりがない俺は髪を手櫛で適当に整えながら、リビングに通じるドアをノックする。
はい、という応答が返って来たところで俺はドアを開ける。リビングには晶子が「指定」のクッションにちょこんと座っていた。
「お待たせ・・・。」
「湯加減どうでした?」
「丁度良かったよ。晶子のすることに問題を探すのは難しい。」
「・・・どうかしたんですか?」
「ん・・・。ちょっとな・・・。」
俺は言葉を濁して晶子から視線を逸らす。晶子の真っ直ぐな瞳で見詰められると、自分がより一層情けない存在に思えてならないからだ。
晶子は立ち上がってゆっくりと俺の元に歩み寄り、俺の右頬に手を当てて少し背伸びして唇を軽く押し付ける。
俺の左頬に熱い点が出来た・・・。
突然の晶子の意味不明な行動に俺はその場で固まってしまう。
「しっかりして。私の大切な人なんだから。」
晶子は俺の耳にそんな言葉を残して早足でリビングから出て行く。俺はまだ唇の感触が消えない左頬に手を当てて、晶子が残した言葉を反芻する。
部屋に流れる「Can't forget your love」が心に染み渡る。俺は・・・晶子に晶子なりの激励をされたんだ。
そう思うと、嫌な色の海に沈んでいた心が徐々に光を取り戻しながら浮上してくるのを感じる。
俺の口元に自然に笑みが浮かぶ。
また晶子に余計な心配をさせちまった・・・。浮かんだ笑みには自嘲が篭っている。
しかし同時に「やる気」の再燃を告げる狼煙の意味もある。
そうだ、晶子の言うとおりだ。俺がしっかりしてなかったら、晶子はどうすりゃ良いんだ?
何度も自分自身に問い掛けてその度に一つの答えを再確認した筈なのに、もう忘れちまったのか?
全く困った奴だ、俺は・・・。そう思いながら「指定」のクッションに腰を下ろす。仄かに暖房が効いた部屋は湯冷めを防いでくれる。
今日一日の疲れが表に出てきたのを感じながら、部屋に流れている「Can't forget your love」に耳を傾け、心を凭れさせる。
柔らかいストリングスに乗った倉木麻衣らしいウィスパリングボイスが綿の球体のようにふわふわと部屋に漂う。
良い気分だ・・・。さっきまであれこれ悩んでいたことが嘘のようにさえ思える。
控えめの音量の「Can't forget your love」に乗って、シャーッという音がドアの向こうから聞こえてくる。
・・・シャワーの音か?そう思うと、俺の頭の中に晶子がシャワーを浴びている様子が急速に妄想として浮かび上がってくる。
晶子の入浴の様子をリアルタイムで−以前、俺が熱を出して寝込んだ時に俺の家の風呂を使ったというが、俺は寝ていたから全く知らない−
耳にするのは勿論初めてだ。
俺の中で妄想と共に邪な考えが疼く。
だが、表に出てきた疲れと心地良さが災い(?)してか、その邪な考えを実行しようという気にはなれない。
妄想はしぶとく残っているが体の中心から熱くなるほど強烈且つ鮮明なものじゃなくなってきた。
シャーッという音が聞こえなくなり、きっと晶子も良い気分で湯船に浸かってるんだろうなぁ、というくらいしか妄想が膨らまない。
俺は頬杖をついて「Can't forget your love」に再び耳と心を浸す。
これも晶子の策略なんだろうか、と思ってみたりもするが、いくら策士の晶子といえども、まさかそこまで策略を巡らそうとは思わないだろう。
俺は湯船に浸かっているような良い気分でクリスマスの夜を髣髴とさせるBGMに意識を預ける。
ふわふわ漂う旋律と音色で、心地良さは更に増す。このまま寝てしまいそうだ。
・・・。
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