Saint Guardians
Prologue
written by Moonstone
塔は次々と大地に聳える。塔は天へ向かって伸びる。
夜は昼と区別できない。地の底に太陽が輝く。
巨大な鳥が唸り声を上げながら飛ぶ。鳥は空を超えて星へ向かう。
人の声は何処に居ても届く。箱からは見知らぬ地が見える。
切り裂かなくても肉体の内側が見える。細い管には目が付いている。
肉体に刻まれた生命の螺旋が見える。それは神のみぞ知る言葉。
人は神の言葉を知る。人はその言葉を書き始める。
(ラマン教経典「マクマン」より)
大地が大きく口を開けた。
地獄まで続くかのような闇の中から吐息と共に轟音が吐き出された。
巨大な槍が姿を現した。
日の光を浴びて銀色に輝くその槍は、自ら巨大な炎を吹き出して天空へと躍り出た。
幾度となく清められた邪悪な黄金が封じ込まれた槍は一筋の閃光となって落下した。
眩い光の玉が周囲を包み込み、猛烈な雷鳴が轟いた。
風と炎が嵐となって吹き抜けた。
何もかも吹き飛ばされ、粉々にされ、焼き払われた。
光の玉が消えた後には地獄が現れた。
焼け焦げた死体が地面を被い、瓦礫の山が無言で佇んでいた。
息がある者は皆焼け爛れ、死者の行列のように水を求めてさ迷い歩いた。
(叙事詩「マンカ・デル・ニージャ」より)
悪魔の王が地上に現れた。
人より出でた悪魔の王は、始めに忠実な僕たる6の悪魔を地獄より呼び覚ました。
7の悪魔は7つの大罪、即ち傲慢、貪欲、淫乱、憤怒、大食、嫉妬、怠惰を司った。
悪魔の王が地獄の讃美歌を唄い上げると、地獄より1億の悪魔が地上に躍り出た。
悪魔の軍団は地上に失楽園を創り出し、人間を支配した。
悪魔達は何れもその肉体の隅々に、神を侮辱する言葉を書き連ねていた。
故にその肉体は滅びることを知らなかった。
(メリア教経典「グル・リカ」より)
7の天使が光と共に現れた。
天使達は創造の天使が命と引き替えに創り出した、神々しく輝く武器と鎧を身につけていた。
7の天使は悪魔の軍団に戦いを挑んだ。
悪魔の軍団は次々と敗れ、地獄に投げ落とされた。
7の悪魔、7つの大罪を司る悪魔達も天使達に敗れ去り、6つに引き裂かれて地獄に投げ落とされた。
天使達は言った。
「見よ、創造の天使の生命が大いなる主の祝福を受け、地上の罪は清められた。」
7の天使は遠い南の地に創造の天使の亡骸を埋め、そこで主の言葉を聞いた。
天使達は主の言葉を聞いた。
「再び地上に罪が広がる時、悪魔達が蘇るだろう。」
「汝らの立つ地を聖地とし、後の世に武器防具を伝えよ。」
7の天使は主の名の下に祝福を与えた人間を聖地へと誘った。
(キャミール教経典「教書」外典マデン書より)
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