溜まってきた写真をパソコンに取り込んだ。
メモリカードの殆どを埋め尽くした写真の数々は、これまでの素人カメラマンの軌跡。
撮った写真を適当に眺めて、良さそうなものの中から気に入ったものを偶に印刷する。
最近は、ちょっと画像ソフトに凝り始めて、お遊び程度の加工をしてみたりする。
切って貼るとか、ソフトに入っている特殊効果を加えてみたりとか、
他の写真とレイヤーで重ねてみたりとか、そんな程度。
ふと目に入った1枚の写真。夕方近くの空に椋鳥か何かが飛んでいるのを写した写真。
カメラの機能に任せて撮った写真だから、適当に撮った割には鳥の羽ばたきも結構鮮明。
何か面白い加工が出来ないかと考えて、ふとモノクロ化してみた。
何だろう、これ…。
廃墟になった街を飛ぶ鳥を撮ったような、不気味なようで悲しいような…。
モノクロにした写真は、部屋に散在するこれまでの写真と比べて明らかに浮いていた。
だけど、そのまま仕舞いこむには何となく惜しくて、
偶々目にした市の美術展に出してみた。
そんな適当な思い付きが、まさかここまで広がるなんて…。