【単独制作作品No.85 夜明けの町を1人行く】

Written by Moonstone

夜明けを迎えた外の風景は 意外に静まり返ってる。
挨拶の交換や車の行き交う音も聞こえない。
年の最初を帰省した実家で迎えるのは 毎年恒例。
町並みはそれなりに変化してるのに この静けさは変わらない。

枕元の携帯で時間を見る。普段起こされる時間とほぼ同じ。
携帯が刻む時刻と登録した時間に鳴らすアラームに追われる日々。
そんな日々から解放される つかの間の休息の日々。
解除し忘れていたアラームを解除して 夜明けの町に1人繰り出す。

町全体が眠ってる。車1台通らない。
大小も形も色も様々な家々が立ち並ぶこの町に暮らす人は多い筈。
家の数だけ、人の数だけある生活も、今は止まっている。
年の初めは誰しもが 穏やかな眠りの世界に居るんだろうか。

自分1人しか 動いている人が居ないように思う。
そう思うほど、人の動きも気配もない。
ただ 旭日の黄金色の輝きを浴びながら 建物が整然と並んでいる。
まだ 町も人も眠り続けるようだ。

数日すれば 普段のように人と生活が動き始めるだろう。
外の明るさと正反対に 窓の明かりが変化する時が来るだろう。
それまでの 暫しの休眠。
夢の世界を外から破るのは 無粋というものだ。

特に この日は。

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