【単独制作作品No.76 泡沫の再会】 Written by Moonstone
落ち着いた物腰 柔らかい微笑み 長い髪 あの頃のままの君と こうして会えるなんて思わなかった 見るだけで胸が高鳴る 近付きたいけど機会がない 机を挟んだこの距離が 今は果てしなく遠く感じる 君と離れる時が来た 未曾有の大災害から逃げるため 避難の誘導をするために こんな時にごねるほど馬鹿じゃない だけど また会おう の一言も言えない 状況がそれを許さない 後ろ髪を惹かれる思いで 僕はその場を後にする 風と雨が荒れ狂う中で川を下り 雲が割れて太陽が顔を出す 泥塗れになった身体を地面に投げ出し 安息の時に浸る 君は無事に逃げられたか? 声を聞こうにも携帯はない 今はただ 安堵の溜息を吐くばかり ・・・あれ?此処は・・・僕の部屋? 雑然とした風景は明らかに僕の部屋 見回しても変化はない 疲れを誤魔化すために横になっていたら 何時の間にか眠っていたようだ 溜息が出る 今度は安堵ではなくて落胆 やっと会えたと思ったら夢だった 夢の中で胸をときめかせ 必死になっていたのかと思うと空しくなる だけど・・・君と会えただけでも良かったか もう二度と君に会えるとは思ってなかったから・・・ 君は今 どうしてる? |
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