【単独制作作品No.72 宛無き捜索】 Written by Moonstone
見渡す限りの海は波一つなく 見渡す限りの空は光一筋もない。 黒褐色の海水が私に纏わりつく 動かなければ沈み込む。動けば身体が重い。 鉛色の雲が頭に届きそうなほど低い。 このまま海と一体化しそうだ。 果てしなく続くヘドロの海。 その中から一粒の砂金を探し出す旅。 海を弄る手には未だ砂金はない。 ただ腐臭と汚濁に塗れているだけ。 ポツリ、ポツリと顔に何かが当たる。 空から鮮血の雨が降る。 何度目かの赤い雨は、今度も冷たくて痛い。 ヘドロに塗れた身体が赤褐色の斑模様になる。 一体何時まで続くんだろう? 止めたいけど止められない。逃げようにも逃げられない。 手で掬った海水は、ドロドロと指の隙間から滲み出る。 その中に金の輝きは・・・何もない。 ヘドロの海に沈むのが先か。赤い雨に穿たれるのが先か。 どちらかの結末を考えた方が良さそうだ。 |
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