【単独制作作品No.71 つとめての世界】

Written by Moonstone

凛と張り詰めている空気が肌に痛い
あらゆるものがその動きを止めている
揃って何かを待つかのように
普段は人や車が行き交う通りも
私以外 誰も居ない

ふと 空を見上げる
深い藍色に広がる星の世界
遥か彼方の光が煌くうちは
まだ この空気が動くことはない

私がつとめての世界に踏み出したのは
夜通しの電話で寝そびれたから
まだ明けない夜闇の世界に見惚れた私は
服を着込んで 外に出た

空の色が 変わり始めた
鳥達のさえずりが 遅い日の昇りを促す
家々の谷間から見える黄金の光が
張り詰めた空気の糸を解きほぐす

一日から見ればつかの間のつとめての世界
その美しさに 私の心が洗われる

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