【単独制作作品No.56 暗闇の声】

Written by Moonstone

これで分かっただろう?
・・・
お前がどれほど愚かな存在か
・・・
人間がいかに冷酷で残忍な存在か
・・・
そんなお前と人間で構成されるのが世間というものだ
・・・
よく憶えておけ そして二度と誰も信じるな
・・・

自分以外何も見えない暗闇の中 冷たい声が浮かんでは消える
声が消えた後 私は一人蹲り 涙する
己の愚かさを嘆き 人間の冷酷さと残忍さを恨み
絶望という色で塗り潰された心を抱えて蹲る

前を見なさい
・・・?
闇あるところに光ある 闇は光と共にある
・・・誰?
前を見なさい 貴方の前にあるものは何?
・・・光?
そう 立ちなさい そして歩きなさい 前に向かって
・・・
貴方から歩み寄ることで 光を浴びることが出来る
・・・そうする

声が消えた後 絶望一色だった心に裂け目が出来る
私は涙を拭って立ち上がり 前に向かって歩き始める
小さな点は少しずつ大きくなってくる
心に出来た裂け目から眩い光が差し込んでくる

・・・貴方は・・・誰?

私の問いに答えはない
私は徐々に大きくなってくる光に向かって歩いていく
ゆっくりと 一歩ずつ
光の先に居るかもしれない あの声の主を思いながら・・・

このホームページの著作権一切は作者、若しくは本ページの管理人に帰属します。
Copyright (C) Author,or Administrator of this page,all rights reserved.
ご意見、ご感想はこちらまでお寄せください。
Please mail to msstudio@sun-inet.or.jp.
若しくは感想用掲示板STARDANCEへお願いします。
or write in BBS STARDANCE.
第4創作グループへ戻る
-Back to Novels Group 4-
PAC Entrance Hallへ戻る
-Back to PAC Entrance Hall-