【単独制作作品No.49 銀世界を歩く】

Written by Moonstone

一面の銀世界とはこういう光景を言うのだろう
普段目にする色が全て白に覆われ
陽光を反射して銀色に輝いている
朝一番格段の冷え込みを感じて外を見てみたらこれだ
何もかも浄化されたかのような世界に 私は思わず飛び出す

銀色の輝きが目に眩しい
誰の足跡もついていない歩道を一歩一歩歩く
軽く柔らかい感触を感じながら歩いていく
静かな銀世界は 私一人を残して誰もが消えてしまったかのようだ

ふと振り返ると 銀の平面に黒い点が浮かんでいる
私の足跡だけがこの歩道に刻まれている
何だか妙に心踊るのを感じつつ 更に歩いていく
軽く柔らかな感触が伝わる度に 銀世界を自分色にしていくように思いつつ

茶色の芝生が覆っていた筈の公園も真っ白だ
私は薄い粉雪の感触を確かめながら 中心へ歩いていく
誰も居ない公園に私一人 何故か口元が綻んでくる
私は笑いながら身体を銀の大地に投げ出す
銀世界に大の字になった私は、朝焼けが染めつつある空に向かって笑う

気持ち良い 兎に角気持ち良い
誰も居ないかのような世界を 私は一人満喫する
冬のひと時 寒いばかりで嫌っていた雪の世界も
意外と楽しいものなのかもしれない

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