【単独制作作品No.37 脱出】

Written by Moonstone

・・・暗い。此処は何処だ?
頭に何かが流れる感触がする。
若干の粘性と鉄臭さを帯びたこれは・・・血だ。
一体何があったんだ?此処は何処だ?

・・・何も思い出せない・・・。

ふと背後で何かの気配を感じる。
その方向を向くと、微かに白色の輝きが見える。
一目散に走り出す。輝きがだんだん近付いてくる。
白い光の中に飛び出した瞬間、目が眩んだ。

自分の惨状と現状が分かる。
服も手も、全身が血塗れで、頭からは鮮血が滴っている。
痛む頭を前に向ければ、一人の男が立っている。
その男は口元に不気味な笑みを浮かべて言う。

ようやく、お目覚めか・・・。

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