【単独制作作品No.28 力】 Written by Moonstone
目の前の現実に対してあまりにも無力な自分。 それがたまらなく嫌だった。 何とか力を手にしたかった。 私は祈った。神や仏とやらに。 今までせせら笑っていた架空の存在とやらに。 だが、なりふり構ってはいられなかった。 私は何が何でも力が欲しかった。 ある日、私に力が宿った。 その力で現実を変えた。否、破壊した。 どうしようもない現実を変えるには破壊しかない。 躊躇することなく私は力を使った。 累々と瓦礫と死体が横たわる目の前の現実。 確かに変わった。しかし、何も変わらなかった。 動いていた現実の時間が動かなくなっただけ。 これが私の望んでいた力の結果なのか? 何を考えても、もう、何も戻らない・・・。 |
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