【単独制作作品No.26 この手の冷たさを】

Written by Moonstone

私の手が冷たい。赤い脈動のない蝋人形のように。
家の中を暖めても変わらない。温かい飲み物を飲んでも変わらない。
温かい飲み物の入ったコップに触れて得た温もりも直ぐに消える。
所詮泡沫の温もり。それこそ泡の如く儚く消える。

貴方の手の温もりが恋しい。貴方にこの手を温めてほしい。
一人になると必ず切にそう思う。
でも、貴方との距離がある時はどんなに願っても叶わない。
所詮私の願いは泡沫でしかない。

貴方との距離が何時もゼロなら。
貴方の手を何時もこの手に出来たら。
そうなる時は来るのだろうか。
泡沫の幸せに終わらないだろうか。

私の手が冷たい。寒風に晒した蝋人形のように。
この手を温めるには貴方が必要。
貴方の手と心と微笑みだけが、この手を温かくしてくれる。
だから、我が侭だとは分かっているけれど・・・。

私は貴方の電話番号をダイアルする。

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