【単独制作作品No.25 この手の温もりを】

Written by Moonstone

貴方の手は温かい。
この温もりに触れていると、心まで温かくなってくる。
貴方は手が冷たくない?
私の心の温もりを、貴方はどう感じているのかしら。

貴方の手に触れていると、私は必ず不安になる。
私の心が冷たいと感じられてはいないか、と。
でも、不安になると同時に、安心もする。
私は貴方の温もりに触れていられる、と。

この温もりを離したくない。何時までも温もりに触れていたい。
でも、離さなければならないときがやって来る。
その時、私は必ず不安になる。
また貴方の温もりに触れられるのだろうか、と。

この手の温もりを大切にしたい。
それは、貴方と一緒に居る今を大切にするのと同じだから。
今、私はとても安心している。
またこうして、貴方の温もりに触れていられるんだ、と。

ねえ・・・。私の手は温かい?
声に出せないその問いを、今日も私は心に響かせる。

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