【単独制作作品No.16 遠くに霞む貴方へ】

Written by Moonstone

貴方に伝えたいことがある。誰よりも早く、貴方だけに伝えたいことが。
まだそれを伝える勇気はないけれど。まだ一歩を踏み出せないで居るけれど。
貴方が他の誰かと手を取り合う前に。貴方が見えなくなってしまう前に。
まだ貴方の手を取る勇気はないけれど。まだ貴方に近づけないで居るけれど。
花吹雪の中に貴方が消えてしまう前に、必ず貴方に伝えたい。

言葉にするのは簡単かもしれない。思い切り詰め込めば一つの箱で済むその言葉。
でも私はそれを口に出来ない。それはその言葉の重みを感じているから。
その言葉は発する側にも受ける側にも、心に大きな錘を乗せるものだと感じているから。
私がその言葉の重みに耐えられるようになった時、必ず貴方に贈りたい。

譬え貴方がその言葉の重みに耐えられなくても、私は貴方を恨まない。
貴方に伝えたいことを伝えられたこと。それだけで私は満足出来るから。
強がりかもしれない。空元気かもしれない。
それでも伝えたいことを伝えられた私の中で、きっと何かが変わる筈。
伝えられずに終るより、伝えて終った方が良い。

私はそう信じてる。

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