【単独制作作品No.14 思い出の玉手箱】 Written by Moonstone
少しして表れた自分の記載を確認して、ぼやけた旧友の面影を追いながら 名簿を眺め進めていく 否、只眺めていたのではない。無意識に・・・探していた。 目を向けたその場所には、別れた彼女の名前があった。 姓が変わっていた。そうか、結婚したのか・・・。 他と比較できないくらい鮮明な思い出と表情が次々と頭に溢れてくる。 まるで、玉手箱の封印を解いたかのように。 でも、この玉手箱は自分を時の流れに合わせてはくれない。 彼女と共に過ごした時間を思い出し、口元に笑みが零れる。 良き思い出に昇華された過去に浸る心地良さか、それとも・・・ 未だ心の何処かにあった、絆の回復への未練を自嘲してのことか。 別れた直後は怒りもあった。愛が憎悪に変わったりもした。 もう戻らない、戻れない過去。 でも、今は譬え彼女と顔を合わせても、素直に心のままを言えるだろう。 良い思い出をありがとう、と・・・。 |
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