【単独制作作品No.66 放浪者】 Written by 岡田珠華
かといって 太陽の様に己を輝きに満たす事も出来ない ましてや 月の様に誰かの光を借りる程器用ではない 更には 闇夜を切り裂く力となる魔物の牙も得られない 今の私に存在するのは 己の世界をただ彷徨うだけのこの体のみ それでも 私は何処までもこの道の上を歩き続ける事は出来るから・・ 此処にあるのは 私のちっぽけな世界 此処には 人の目を奪う程の綺麗さなどは無い ある時は ゴロゴロ土に包まれた見渡す限りの荒野だったり ある時は 分厚い氷に覆われた凍てつく凍氷の海だったり ある時は 這い登る事も絶望的な厳酷な谷の底だったり ある時は 何処まで続く己の行方すら見失う密林の迷宮だったり 携える 理想という名のコンパスも 夢という名の地図も 儚さの名の下に落としてしまいそうになる時もある けれども 私は何処までもこの道の上を歩き続ける事が出来るから・・ 見上げる空 雲間を渡る鳥に思いを馳わせ 晴れ抜ける高み 照り輝く太陽を道標に 闇夜の向こう 優しく佇む月に己の存在を見出し 沈んだ心 弱さや脆さを力に変えて心の剣を振るおう 今の私が放浪するこの世界の全てを楽しめたらいいと 此処にあるのには 私のちっぽけな世界 其処に どれだけの価値があるかは分からない それでも 私は何時までもこの道の上を歩き続けていたいから・・ 携える 理想という名のコンパスも 夢という名の地図も 儚さの名の下に落とす訳にはいかないと強く握りしめる |
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