【単独制作作品No.50 足跡】

Written by 岡田珠華

刻々と刻まれていく 私の時間
刻々と刻まれていく 私の歴史
刻々と刻まれていく 私の道
・・私の足跡

広がり行く荒野を私は歩いて来た
昨日も 一昨日も 一昨昨日も ずっと前から・・ 

乾いた風が背中を押せば
灼熱の太陽が歩みを遅くする
時折出会う旅人と交わす言葉に安堵し
偶然に発見するオアシスに心を癒されれば
転がる歪な石達に足を取られては躓き
罠の様に現れては消える蜃気楼に愕然とする

天高く渡り行くあの鳥達は
私よりも早く この道の先にある何かを見ているのだろうか
荒れた大地を掠め吹くこの風は
私よりも早く この道の先にある何かにたどり着けただろうか
泥と埃にまみれて独りたたずむ私は
いつか真実の宝物と誇りを手にする事が出来るだろうか

何を求めているのか
何を探しているのか
何をつかもうとしているのか

求めるのは「夢」
探しているのは「私らしさ」
掴もうとしているのは「存在の証」

振り返れば 後ろに伸び残る足跡
見据えれば 前に広がるまだ見ぬ大地
呟くは 自分を奮い立たせる呪い文句
「大丈夫・・私はまだ頑張れる」

だから 私は歩く 
この「1歩」が きっと誰かと出会う1歩になると
この「1歩」が きっと何かを変える1歩になると
だから 私は歩き続ける
これまでの「1歩」が 私を支え続ける糧になる
これからの「1歩」が 何かを始める切っ掛けになる

刻々と刻まれていく 私の時間
刻々と刻まれていく 私の歴史
刻々と刻まれていく 私の道
・・私の足跡

広がり行く荒野を私は歩き続ける
今日も 明日も 明後日も これからもずっと・・

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