淀みに消えぬ泡沫の想い

written by 岡崎郁馬

今でも聞こえる

ゆっくり深く飽く事無く反芻される

眠りより覚めぬ為の魔法

過去を縛り付ける呪詛


浮かんでは消えぬその姿が高尚の破屋に住まわっている

慕情の楼閣を追い出された後も何処までも付き纏う

いや、逆に匿っているのか

未練たらしく


朝霧に濡れる雑草が幽愁の雫を蓄える

消して滴る事のない水珠は光を浴びて滑らかに輝きを見せる


今までパペットを見ていたのかも知れない

哀れなまでの悲恋劇

楽しんだのは俺だけか

下りた緞帳は何も語らない


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