2021年8月3日更新 Updated on August 3rd,2021
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2021/8/3
[屋外作業]
 基本的に屋内でPC相手に設計やプログラミングをするか、作業台ではんだ付けや測定器操作をする生活ですが、偶に例外があります。以前お話した太陽光発電システムが、ようやく実証試験可能な天候になったので、いそいそと太陽光パネルと制御回路を持って屋外に(傍目にはかなり怪しかったかも)。
 直射日光に回路がやられないように箱に入れたり、発電が正常に機能しているか分かるように無線のビーコンを追加したり、と何度も作業場と往復しましたが、ひとまず発電そのものは正常に機能していることが分かってひと安心。ビーコンを機能拡張して発電時間の測定を予定しています。
 もはや様式美と化しつつある。文系学部エリアは女子学生の比率が高いけど、注目度は変わらない。スマートフォンを向ける比率も変わらない。無論、シャルがすべて干渉して撮影を妨害しているけど、こういう形の注目はあまり良い気分がしない。

「キャンパスは整備されていますが、学生の質は評判どおり低いようですね。」
「スマートフォンで撮影するのが当たり前って感じなのかな。」
「スマートフォンに飼育されているみたいなものですね。どっちが本体だか分かりません。」

 スマートフォンに飼育されているとは言いえて妙だ。地図にしても連絡手段としてもスマートフォン頼りの面が強まっている。スマートフォン、しかも特定メーカーの製品でないと、それだけで疎遠にされることもあるというから、機械に使われている感が強い。

『文系学部エリアも、ヒヒイロカネのスペクトルは検出できません。研究機器らしいものが殆どないのもあって、識別は容易です。』
『文系学部だから、書籍が大半じゃないかな。PCはあるだろうけど。』

謎町紀行 第1703回
written by Moonstone

「うわっ、凄ぇ可愛い。」
「ハーフのアイドル?」
「リアル金髪碧眼美少女だ。」

2021/8/2
[冷やし中華]
 夏になると中華料理店に出る「冷やし中華」。自宅だと麺の種類がいまいち分からない(ラーメンと同じ系統だとは思う)、複数の具材を用意するのが手間、タレが「これ」という味にならない、などの理由で作るのを避けていて、外食だと量が足りないので頼まない、と何故か縁遠い料理です。
 先週後半、いまいち食欲がなく、早めに夕食を済ませたかったことで、外食に出た先で冷やし中華を注文。具材は豊富でタレの味も好みのもので、食欲が低下していた状況で十分満足のいく量。ラーメンもそうですが、麺料理は外食の方が良いような気がします。

『ヒヒイロカネのスペクトルはどの建物からも検出されません。』
『このエリアのNMRは純粋に研究目的みたいだね。ということは、残りは文系学部エリアだけど、ヒヒイロカネを隠しているとしたら可能性は低いかな。』
『そう思いますが、隠しているとは限りません。ヒヒイロカネの特性を知らなければ隠し金庫などに隠すでしょう。』
『確認しておいた方が良いね。』
「えっと、文系学部エリアは…こっちへ行けば良いのか。」
「壁などで隔離は去れていないようですね。」

 大学の学部間の力関係は、医学部があればほぼ間違いなく医学部が頂点になるけど、その他は大学によって異なる。ナカモト科学大学は、医学部が海を隔てて高速道路で2時間くらいかかる場所にあるから、医学部の君臨がなくて他の学部がある意味平穏な関係にあるようだ。
 理系学部エリアと文系学部エリアは、本部棟から伸びる大通りを挟んで向かい合う形だ。大通りは自転車専用道路もあって、売店や小規模の飲食店が軒を並べる。やや文系学部寄りに位置する食堂に行かなくても、これらの店で食事を調達できるらしい。実際、学生が列を作ったり、近くのテーブルやベンチで談笑しながら食べている。
謎町紀行 第1702回
written by Moonstone
 数では勝るけど、磁場の強さはアイソトープ研究施設の方が強いというのは、やはり不自然だ。アイソトープ研究施設でそんな強力な磁場を出すNMRを、しかも複数台設置するスペースも理由もない。大学の本部はこのナカモト市の方でも、医学部があるハルイチキャンパスの動向は把握できていないんだろうか。それとも力関係が違うのか。
2021/8/1
[ゲリラ豪雨]
 ここ数日、突然の大雨に見舞われています。昨日は自宅だったので特段影響はありませんでしたが、一昨日は外出中に見舞われて、強い雨でワイパーを最速で駆動しても「前が見えねぇ」だったり、道路が彼方此方冠水したりで、車の走行もままならない状況でした。あのまま降り続いていたら、一部の家は床下浸水になったでしょう。
 それまで晴れていたのに、急に空が暗くなって強い雨が降り始める、夕立の強化版のようなものですが、雨の勢いは夕立の比ではありません。ベランダの排水口の詰まりを解消しておいて良かったと思います。この大量の雨水も有効活用できないものでしょうか。
 シャルの対撮影セキュリティの中、散策を装った建物の調査は続く。理系学部エリアの半分は、理工学部が占める。機械、電気電子、物理、化学、生物、情報、建築の6つの学部学科、システム工学専攻と材料工学専攻の2つの大学院専攻からなる。他は薬学部と農学部。女子学生の比率が割と高くなるのは、この大学でも同じだ。

『所々に強い磁場がありますね。どれも形状からしてNMRのようです。』
『やっぱり此処にもあるんだ。アイソトープ研究施設と比べてどう?』
『研究室で使用しているものが大半で、共用機器として管理されているものが、あの機器分析支援センターという建物にあります。何れもアイソトープ研究施設より磁場は弱いです。』

 NMRは非破壊で放射線被曝がないことから、高分子の構造解析で威力を発揮する。製薬も今は運頼みの合成じゃなくて、スーパーコンピュータを使って合成や反応の理論予測をして、合成したものを様々な方法で分析することを繰り返す。そこに機械学習も加わって、より効果的・効率的な製薬を目指して研究が続けられている。
謎町紀行 第1701回
written by Moonstone
 こっそり撮影するならまだしも−良くはないけど−、堂々とスマートフォンを構えて撮影するのは、肖像権という概念が定着した現在はよろしくない。今は大学でネットリテラシーを学ぶ機会があるそうだけど、この大学はそれが疎かなのか頭に入っていないのか。
2021/7/31
[腐った祭典オリンピックとスポーツ神聖視を改めて批判する(10)]
 (最後です)スポーツは娯楽の1つであり、スポーツイベントは興行の1つです。それらに楽しみを見出すのは他の娯楽を楽しむのと同じですから全面的に否定はしませんが、高尚でも健全でも何でもないどころか、大規模なものほど腐敗しやすいこと、特に上意下達が理不尽と融合する体育会系思考が跋扈しやすく、暴力や殺人をも正当化する有害なものでもあることを認識しなければなりません。スポーツやスポーツイベントは過程や結果で、リアルで殺人が起こる醜い現実を直視すべきです。
 菅首相が「なんだかんだ言ってもオリンピックが始まればこぞって応援する」という趣旨の高を括った発言をしましたが、まさにそのとおりになりました。完全に見透かされ、舐められているからこのような発言が出るのです。オリンピックをはじめ、スポーツやスポーツイベントは利権と犯罪の坩堝であり、それから目を背けてスポーツやスポーツイベントを礼賛・神聖視することは、国民の不満を逸らし忘却させる愚策に嵌るこ愚行でもあることを認識し、改めることが必要です。「健全な精神は健全な肉体に宿る」などスポーツやスポーツイベントが抱える醜い現実から目を背ける、空虚なスローガンでしかないのです。(終わり)
 シャルはしれっとしているけど、僕とシャルが撮影されると、調査に悪影響が出る危険がある。カノキタ市での一件で霞が関や政権与党に存在が知られた確率があるし、SNS経由で所在を追跡されることになると、ヒョウシ市で大ダメージを受けた元財務相が刺客を送り込んで来るかもしれない。

『別に刺客が何人来ても構いませんけどね。始末する手間が勿体ないくらいです。』
『ことを大きくするのは良くないよ。調査がやり辛くなる。』
『闇の仕事を気取るならお望み通り闇で始末するだけですが、この手の無駄は省けるなら省いた方が良いですね。撮影対策は簡単です。』

 シャルは顔を隠したりしないで、これまでどおり傍目には建物を眺めながら散策しているように見える行動を続ける。シャルが出来る撮影対策と言うと…スマートフォンに干渉して画像や映像を加工したり、削除したりすることか。別の車の制御系にも簡単に干渉できるから、スマートフォンくらいはお手の物か。

『そういうことです。出鱈目な画像や映像になったり、スマートフォンに保管されている別ファイルに差し替えたり。』
『後者は、良くない写真を撮ってたらまずいことになるんじゃ…。』
『フィッシングサイトを踏んで流出させた体にします。無断で他人を撮影したツケは払ってもらいます。』

 学生に限ったことじゃないけど、悪質な悪戯−営業妨害など犯罪行為もある−を撮影してSNSにアップする事例が後を絶たない。その代償は時に解雇・退学や損害賠償請求など重大な事態に繋がる。リテラシーよりもSNSでの承認欲求が上回るんだろう。
謎町紀行 第1700回
written by Moonstone

「写真とか撮られてるみたいだよ。」
「そのようですね。」

2021/7/30
[腐った祭典オリンピックとスポーツ神聖視を改めて批判する(9)]
 (続きです)オリンピックを巡る腐敗や歪みをまともに指摘できるメディアは殆どないのは、スポンサーとして癒着しているからなのは前述のとおりですが、政党が右も左もオリンピック礼賛一色なのが情けない限りです。オリンピックなど国際スポーツイベントを、右は国威発揚・国民団結の起爆剤としていて、左は世界平和・健全性の象徴と位置付けていますから、どちらも礼賛一色になるのは当然。どちらもオリンピックなどスポーツイベントを利用する立場なのは何とも愉快なものです。
 オリンピックなどスポーツイベントの報道を見れば、スポーツは所詮戦争の代替手段であることは明白。だから開催側では金と権力とメンツが鎬を削り、選手や応援側では暴力恐喝ドラッグ八百長など犯罪を当然とする体育会系思考が跋扈する、極めて歪み腐敗したものになるのです。戦争の代替手段ですから「勝てば何でも許される」のですから、それに善悪やモラルなど期待するのが無駄なのです。そんなイベントをこぞって応援するなど、戦争や腐敗を応援するのと等価です。(次で終わります)
『このキャンパスも彼方此方に監視カメラが仕込まれています。』
『これだけ開けっ広げだと分かりそうなものだけど。』
『ハルイチキャンパスと同じく、木や建物の一部にカモフラージュして、巧妙に隠されています。』

 監視カメラ自体はもう珍しくも何ともないけど、カモフラージュして大量に仕込んでいるあたり、不審者対策とは別の意図を感じる。兎も角、シャルの案内でキャンパスを巡る。建物の間隔は十分とられていて、どれも7階8階以上の高層ビル。設備に金をかけているのがよく分かる。
 外来者駐車場近く、正門から最も近い場所にあるのは本部棟。その奥に学生向け食堂、本部棟向かって右側に職員や外来者向けのカフェテリアがあって、本部棟向かって左側に文系学部、右側に理系学部が集まっている。建物はどちらも高層ビルで、建物同士の間隔は割と潤沢に取られている。
 シャルは本部棟を右方向、理系学部エリアの方に歩く。キャンパス全体を回ると言っていたから、理系学部エリアの方から回るつもりらしい。やっぱりと言うか理系学部エリアを歩く学生は男子の比率が明らかに高い。そんな中をアイドル級の容貌を持つシャルが歩けば…。

「か、可愛ぇ…。」
「学園祭で呼ばれる外人アイドルか?」
「リアル金髪美人だ。」

 当然こうなるわけで。昼時だから先を争って食堂へ向かうところで足を止めて良いのか、と他人事ながら思う。シャルはヒヒイロカネのスキャンをしているのか、右に左に首の向きを変えながら歩く。傍目には高層ビルを見物しながら通りを歩く外来者でしかない。物凄く目立っているところだけが他の外来者と違うところか。
謎町紀行 第1699回
written by Moonstone

「ひととおり回る?」
「はい。特定の箇所に直進すると不審に思われますから。」

2021/7/29
[腐った祭典オリンピックとスポーツ神聖視を改めて批判する(8)]
 (続きです)スポーツ優遇、(スポーツではないという意味での)文化冷遇は、オリンピックに限りません。プロ野球などスポーツイベントは観客の制限はあれど通常どおり開催している一方で、コミケやライブなどの文化イベントは、時に医師会がしゃしゃり出て来てまで中止に追い込まれています。答えは単純。メディアやスポンサーの金になるかどうか。健全な精神云々と言いながら、露骨に金と権力で動いているのがスポーツの実態です。
 オリンピックが開催されるのも、金と権力が行使できるスポーツイベントだからであり、その額が巨額だから。それはこれまでも述べて来たとおりであり、スポーツ優遇、文化冷遇の結果が、学校行事の理不尽な中止・延期にも表れています。学校行事でメディアやスポンサーは儲かりませんがオリンピックはその正反対。開催側は金と権力に骨の髄まで浸かり、選手は暴力ドラッグ反則で腐ったスポーツイベントの最高峰オリンピックは、IOCもろとも即時解体以外にありません。(続く)

「す、凄ぇ可愛ぇ。」
「交換留学生?」
「アイドル級じゃん。」

 こうなるわけで。シャルの服装は普段と変わらないカジュアルなもの。ブランドと分かるバッグも持ってなければ、化粧と宝石で身を固めているわけでもない。自分自身で存在感を出せるシャルの強さの証明だけど、調査が今回の入構の目的だからあまり目立つとやり辛い。

「可愛い奥さんがいる気分はどうですか?」
「それ自体は自慢できるけど、ちょっとした騒ぎになってるから、構内を移動するのがちょっと大変かも。」
「見る分には好きにすれば良いです。さ、行きましょう。」

 シャルは僕の手を取る。ざわめきと同時に視線に込められる敵意が一気に増した気がする。シャルに迂闊に絡んだら流血どころじゃ済まないから、嫉妬に狂って攻撃してこないと良いけど。気を取り直して調査を始める。調査と言っても、キャンパス全体の立地と、不審な建造物がないかを見て回ること。
 総合大学が1つのキャンパスにまとまっているのは、意外と多くない。理系学部と文系学部、医学系学部とそれ以外、学部と関連の附置研究所とか、複数の地域に分散していることが多い。車や電車を使わないと違うキャンパスに行けないほど離れていることもある。その点では、ナカモト科学大学本部は珍しい方だろう。
謎町紀行 第1698回
written by Moonstone
 総合大学だけあって、学生が多い。しかも外来者駐車場は本部棟と食堂に程近い位置にある。移動時間の関係で駐車場にシャル本体を止めた時間は昼食時に近い。昼食時は学生が最も食堂の混雑を高める時間帯。その中で完璧な金髪とアイドル顔負けの容貌を持つシャルが姿を現せば…。
2021/7/28
[腐った祭典オリンピックとスポーツ神聖視を改めて批判する(7)]
 (続きです)スポーツがフェア精神を涵養すると喧伝されますが、選手の側は何度も挙げているとおり、部員などへの暴力など「よくある話」のレベル。しかも不問だったり、時に被害者に退学を迫る理不尽さ。観客の側はフーリガンなど暴力行為や八百長、「勝てば官軍負ければ賊軍」そのものの扱いで、負けた選手やチームが「身の危険を感じる」のもこれまた「よくある話」。これで何がフェア精神の涵養かと冷笑する他ありません。
 スポーツをする者が何かにつけて良い人間とされ、スポーツが苦手な者は冷遇されることは、義務教育前から続く伝統です。それが社会では、上には諂(へつら)い下には粗暴な体育会系という悪しき伝統と人脈を形成し、理不尽を躾や教育として強要する始末。スポーツ愛好家の本性見たり、ではないでしょうか。このような腐った理不尽の塊が選手の側も、観客の側も、そして運営の側でも凝縮された最たるものの1つが、オリンピックです。(続く)
 翌日、僕とシャルは朝食を済ませて出発。E県からO県に行くには、ハルイチ市へのルートを逆にたどれば良い。高速道路があるし、道路もかなり空いている。ハルイチ市へ行く途中の方が、渋滞の連続で酷かった。海を越える途中で「O県」と書かれたプレートが出る。海が県境なのはちょっと不思議な気分。
 O県に入って上陸すると、そこがアヤマ市。アヤマ市から西に少し進むと、そこがナカモト市。その名を冠するナカモト科学大学本部はこの町にある。最寄りのナカモトインターで降りて、国道22号線−国道81号線と辿っていくと、山の中腹に巨大な建物群が見えて来る。あれがナカモト科学大学本部か。

「ここから行程が少し複雑になります。HUDの指示に従ってください。」
「分かった。」

 ナカモト市は城下町だった名残で、中心部の道が細かったり一方通行が多かったりする。しかも運転が荒い。スピードを出すのは勿論、車間距離を開けないしウィンカーを出さない車が兎に角多い。HUDの指示がなかったら、追突の恐れもある。ホーデン社と関連企業が好き放題していたココヨ市を思い出して嫌な気分になる。
 HUDの指示に従って移動。天守閣を左手方向に見ながら右折→左折と進むと、ナカモト科学大学本部が大きく迫って見える。そのまま直進して外来者駐車場に入る。此処も外来者駐車場は有料駐車場のようなゲートでICカード型の駐車券を発行される形式。キャンパス間で統一されているのは良いと思う。
謎町紀行 第1697回
written by Moonstone
 幸いにして、シャルはこの世界の衛星や通信網を合わせても勝てないであろう情報収集・分析能力を持つ。僕とシャルの目的であるヒヒイロカネの捜索と回収に焦点を当てて、あらゆる情報を集約・分析すれば、何かが見えてくる可能性はある。何もないかもしれないけど、それは結果の1つでしかない…。
2021/7/27
[腐った祭典オリンピックとスポーツ神聖視を改めて批判する(6)]
 (続きです)オリンピックをはじめとする腐ったスポーツイベントがメディアによって喧伝される理由は、金であることは疑いようがない事実です。同時に、メディアはもとより多くの市民がスポーツを神聖視していること−スポーツは尊く、それに携わるスポーツマンもまた尊いとする認識が、この歪んだ現状を強力に支援していることも事実です。
 スポーツマンが果たして健全か?否!「勤勉と規律とはつねにわれらと共にあり、怠惰と放縦とに対しては不断に警戒されなければならない。」(高野連の日本学生野球憲章より抜粋)と謳っている高校野球では、常連校でも飲酒喫煙暴力など日常茶飯事。オリンピックやFIFAは言わずもがな。「法令を遵守し、健全な社会規範を尊重する」だの「一切の暴力を排除」(いずれも高野連の規定第2条)などどの口が言うのか。「スポーツをする者が健全」など大ウソであり、「スポーツは戦争の代替手段」だと市民が認めることが肝要です(続く)。

「現地の確認は出来ました。航空部隊を派遣してアイソトープ研究施設周辺の詳細な調査を行います。」

 駐車場に到着して、シャル本体に乗り込んだところでシャルが言う。

「調査項目が多いので、3日ほど時間を要します。」
「それは一向に構わないけど、その間どうする?ナカモト科学大学の本丸に行くとか。」
「聡いですね。調査期間中、対岸にあるナカモト科学大学本部の現地調査に行こうと思っていました。」
「それは外せないね。」

 本丸のナカモト科学大学は、複数の学部を擁する総合大学。そこに手掛かりが隠されている可能性がある。手掛かりは何もヒヒイロカネの情報だけじゃない。調査対象の人物や施設に関する情報や評判と言ったものの中に、思いがけない手掛かりが潜んでいることもある。それは過去の事例でもあったことだ。
 メディアはすべての情報を発信しないし集約もしない。メディアは金を握らせれば黙らせたり、自分に都合の良い、あるいは相手に都合の悪い情報を流すことも厭わない組織だということは、それこそナカモト科学大学の本部があるO県で実際に直面した事実だ。メディアも信用ならないとなれば、情報は自分達で稼ぐしかない。
謎町紀行 第1696回
written by Moonstone
 アイソトープ研究施設は、見た感じ普通の建売住宅程度のサイズ。NMRは磁場の強さと装置のサイズに相関関係があるから、相当強い磁場だと建屋の多くを占拠するものになる。そうなると、今度はそれを複数台設置することに無理が生じる。何かを隠している確率は高い。
2021/7/26
[腐った祭典オリンピックとスポーツ神聖視を改めて批判する(5)]
 (続きです)メディアがスポンサーとなってでもスポーツイベントに関与することで、別の歪みが生じます。スポーツイベントの礼賛とその押し付けです。現に、体裁上オリンピックへの疑問の声を一応紹介していたメディアも、いざ始まるや日本選手のメダル獲得や予選状況をつぶさに報道し、オリンピックやIOC、電通や自公政権の腐敗追及などどこ吹く風です。
 スポンサーとして関与するから、例えば朝日新聞が主催する高校野球で、甲子園出場校や常連校での犯罪を掘り下げたり追及することもなく、一般的な報道を投げて終わり。オリンピックなど最たるもので、膨大な予算が何処に消えたか、中間搾取の実態に迫るものは殆どありません。暗部を追求し、隠された事実を暴く使命を放棄したメディアは、単なる大本営発表の広報機関でしかありません。(続く)

「危なそうな場所みたいだし、早く出よう。」
「そうですね。」

 少々わざとらしいけど、何も考えずに道を歩いていたら到着してしまった感を装って、アイソトープ研究施設を後にする。森が日差しを遮る通路を少し歩くと、歯学部棟の西に出る。このまま通路に沿って南下すれば、医学部棟と事務局棟を見ながら駐車場に辿り着く。

『わざとらしかったかな。』
『いえ、良かったようです。物陰から監視していた連中は撤収しました。』
『大学が近づかれることに敏感になっている建物。何かあると見て間違いなさそうだね。』
『アイソトープ研究施設という割には、磁場が強すぎます。本来のアイソトープ研究とは乖離したものである確率が濃厚です。』

 アイソトープは言わば研究や医療の材料だ。アイソトープを学部や附属病院に運んでPETやマーカーに使うのが本来の使い方。NMRやMRIがあっても不思議じゃないとはいえ、シャルが内部をまったくスキャンできないほど強力な磁場で囲むほど、NMRやMRIを多数配置するのは不自然だ。
謎町紀行 第1695回
written by Moonstone
 シャルがスマートフォンにキャンパスマップを表示する。アイソトープ研究施設の近くの現在地から通路沿いに南下すると、歯学部棟の西側に出ることが分かる。
2021/7/25
[腐った祭典オリンピックとスポーツ神聖視を改めて批判する(4)]
 メディアがスポーツイベントにスポンサーとして関与することで、イベント全体の腐敗度が進行しやすくなります。オリンピック然りFIFA然り高校野球然り。選手やチームは勝利や栄光を目指して練習に勤しみ、と様々な形で美化して喧伝されますが、その一面もある一方で暴力恐喝喫煙飲酒、八百長ドラッグetc.と大小の不祥事は日常茶飯事です。これはスポーツの本質の1つでもあり、その本質を「健全な精神は健全な肉体に宿る」などと美辞麗句で誤魔化しているにすぎません。
 スポーツの歪んだ本質がある一方で、「健全な精神は〜」などスポーツをする側が健全、それを批判する者は不健全という図式が今もまかり通るのは、メディアの責任が重大です。スポーツイベントを称賛する一方、スポーツやイベントの本質を覆い隠すのは、やはり金のため。こんなメディアなど不要です。(続く)
 今までの事例でも、議員は殆ど役に立たないどころか、有害な体制の一翼を担ってさえいることもあった。今回も、議員を動かして事態の打開を目指す選択肢は度外視した方が良い。ナカモト科学大学の息がかかった議員が、僕とシャルを妨害することの方がまだ現実的に起こり得ると思う。

『現状は記録しました。そろそろ行きましょう。』
『建物の奥とか調査しなくて良い?』
『立入禁止の虎ロープが張られています。それに、不穏な動きを観測しました。』
『警備員が来てるとか?』
『そのとおりです。まだ物陰から観察している段階ですが、これ以上長居すると交戦は避けられません。』

 やっぱり、大学としてもアイソトープ研究施設の存在には敏感だ。監視カメラも随所に仕掛けられているというし、僕とシャルが此処を調査しに来たと思っても不思議じゃない。戦闘になってもシャルは全く問題ないだろうけど、地盤が脆い土地、しかも放射性物質が保管されている場所での戦闘は、近隣住民に甚大な被害が及ぶ恐れがある。

「えっと…このまま道に沿って行けば、駐車場の方に行けるかな。」
「!そ、そうだと思います。ほら。」

謎町紀行 第1694回
written by Moonstone
 共存ではなく並存。この一言が状況をつぶさに表現している。放射性物質の漏洩が危惧される環境下に不満を持つ一方、行政は不問としているから手の打ちようがない。議員の殆どは市長や知事の言いなり、言い換えれば翼賛体制。チェック機能を持たない議員を選んだ有権者の責任でもある。
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