雨上がりの午後

Do you love me?-Yuhji Side Vol.2-

written by Moonstone


※註:第2部までを先にお読みくださると、よりお楽しみいただけます。※
自分の気持ちがこんがらがって掴み所がなくなった。
井上に好きだ、と言われて、それから智一にデートに誘われたことを告げられた。
俺に好きだ、と言っておきながら、どうしてデートの誘いを受けるんだ。
そう思って頭に瞬間的に血が上った俺は、井上を怒鳴りつけた。

急に高熱を出して寝込んだ俺の元に、井上は駆けつけてくれた。
智一とのデートを中断してまで。泣いて謝って・・・看病してくれた。
色んな意味で頭を冷やした俺は、自分の気持ちと向き合いつつある。
傷つくことを恐れるあまり、護ることに疲れた俺にも気付いた。

Do you love me?
井上の大きな瞳から感じる問いかけに、俺は答えを示さないといけない。
待てるまで待つ、と井上は言った。
だけどそれは、何時まで待てるか分からないということでもある。
過去の腫れ物がまだ気になっている俺が、その問いに答えるにはまだ早い。

Do you love me?
今は井上から感じる言葉を、俺から言わないといけない。
その時は疑問形で言っちゃいけない。井上への返事なんだから。
井上も俺も、その言葉を軽々しく口に出来るタイプじゃない。
だから・・・、精一杯の気持ちをそれに込めたい。

冬の闇に浮かんでは消える吐息。
人の心の移り変わりも、長い歴史から見れば冬の吐息の同じ。
でも、長い時間の中に一瞬浮かぶ気持ちや言葉を、俺は大切にしたい。
それだけの価値があるものだと、俺は思ってるから・・・。

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