雨上がりの午後

Chapter 211 2人が示す互いの愛情

written by Moonstone


「もう直ぐ出来ますからね。」

 料理中に視線を向けた時に出る晶子の言葉は、何時もと変わらない。表情もそうだ。その言葉どおり、そう言って程なく晶子はコンロの火を止めて、脇に置いてあった
大きめの皿にフライパンの中身を盛り付ける。出来立てのピラフが湯気を立てている。
俺が見ている中、晶子はもう1つの鍋が乗った方のコンロの火も止める。こちらの中身は別途用意してあったスープ用の皿に注がれる。よく見えなかったが、
スープだということは察しがつく。
 晶子は台所と食事用の机を3回往復する。向かい合わせに並べられた料理は、ピラフ、グリーンピースが浮かぶコンソメスープ−匂いでコンソメだと分かる−、
そしてキャベツとキュウリとトマトからなるミニサラダ。店のピラフセットとほぼ同じ−店だと飲み物がつく−メニューは、今回も立派なもんだ。

「ピラフは今回、少しスパイスを前面に出してみたんです。」
「へぇ・・・。じゃあ早速。」

 声を揃えて「いただきます」と言ってから、晶子が事前に宣伝したピラフを一口食べてみる。・・・うん、美味い。ピリッと辛いがそれが良い具合に食欲をそそる。

「うん、このピラフ美味い。」
「ありがとうございます。」
「これはコショウか?匂いも良いし。」
「ええ。コショウを少し多めに。」

 俺の好評を受けて、晶子は今回も嬉しそうに微笑む。コショウの匂いに誘われて、ピラフを食べ進める。ピリ辛を求めていた舌は食べるたびに反応するが、
それだけこの味が欲しいっていう証拠だ。ピラフに続いて、スープを軽くすする。香り豊かなコンソメが、騒ぎ真っ只中の口の中を一旦鎮める。

「このスープも美味いな。」
「そうですか。ありがとうございます。」
「少し・・・コンソメと違う味がするような気がするけど。」
「よく分かりましたね。鶏がらスープの素を少し加えてみたんですよ。」

 微妙だが、コンソメとは違う味を感じた。鶏がらスープの素を入れたのか。勿論俺は買ってないから晶子が持ってきたんだろうが、こういう隠し味的な要素も上手く
取り入れるのは料理に慣れているせいだろう。

「寒い時期だと、こういう辛いものも良いな。身体が自然に火照ってくる。」
「身体を冷やすのが一番良くありませんからね。この時期は鍋物やこういう辛いものが良いかと思って。」
「考えて作ってるんだな。」
「食事は文字どおり日常茶飯事の1つですけど、だからこそ大事にしないといけませんからね。」

 俺だとこういう場合「面倒だから」とインスタントものかコンビニの弁当あたりで適当に済ませるか、或いはもういっそ食べないで済ますかのどちらかだ。
一日三食きちんと食べるっていう基本を堅持していられるのは晶子のおかげだ。
その晶子は俺をどう思ってるんだろう?今まで何処かへ行っていた疑問が再び頭をもたげて来る。今聞くと食事が止まってしまうから、後片付けを手伝うついでにでも
聞いてみるかな。
 食事は程なく終わる。バイトがある日は夕食のことを考えて昼飯は量を控えめにするのが晶子の方針だ。一方、朝はしっかり食べる。「朝ご飯は1日の始まりですから
きちんと摂らないと」というのがその理由。日曜月曜火曜は晶子の朝飯を食べられるが、それ以外が物足りなく感じる。
「ご馳走様」の後、食器を流しに運ぶ。料理は結局殆ど晶子に任せっきりになってるが、片付けは一緒にする。スポンジは簡単に手に入るし、2人で洗えば食器や
調理器具が少ないとあっという間に終わる。晶子は当初「これくらい1人で出来ますから良いですよ」と言っていたが、今では言わなくなった。

「・・・なあ、晶子。」

 食器全てを布巾で軽く拭いて−洗剤の使用量を少なくするためだ−洗い物を全部洗剤をつけたスポンジで擦ったところで、話を切り出す。

「何ですか?」
「晶子から見た俺って・・・どうなんだ?」

 蛇口に手をやれるようにしてからようやく晶子の方を向く。それまで食器に視線を向けたままだった。晶子は少し驚いている様子だ。

「私から見た祐司さん、ですか?」
「ああ。」

 尋ねてみて不安を感じる。思えば、晶子が俺をどう思ってるのか、「好き」「愛してる」以外では具体的に表現してもらった記憶がない。「愛してるとしか言いようがない」と
言われればそれまでだ。実は正直ここが不満で、とか言われるんだろうか。思ってても不思議じゃない。

「私から見た祐司さんは・・・、凄く真面目で誠実で、この男性(ひと)は絶対に浮気しないと確信出来ますから、それだけでもずっと安心していられて・・・。」
「・・・。」
「誰か困っている人を見たら反射的に助けに行けて、それを自分のセールスポイントとして誇示するようなことはしない、本当の意味で優しい心の持ち主で・・・。」
「・・・。」
「金銭以外の生活関連はいい加減で、やきもち妬きで、その関連で怒りっぽいところがある、そんな祐司さんの全部を愛してます。」

 ゆったりした口調で俺を語った晶子の表情は、穏やかで優しい。長所も短所も全部分かってて、長所は勿論短所もある俺の全てを愛してるという晶子の答えは、
俺の不安を完全に消し去るには十分だ。

「晶子・・・。」
「つい最近、祐司さんが私に聞いたことを、私の立場から答えただけですよ。」
「そう・・・だっけ?」
「私と夜愛し合った一番最近の日に、終わってから私が祐司さんに尋ねたこと、忘れました?」
「・・・あ。」

 晶子の問いから少しして思い出される、10日ほど前の夜。晶子の女の事情が近いということで、晶子の中で絶頂に達するのを当面中断する前の最後の夜。
終わって晶子の隣で仰向けになって呼吸を沈めるのもままならない俺に、掛け布団と毛布を被せると同時に俺に抱きついた晶子が、早くて荒い呼吸音に交えて、
俺に投げかけた疑問。

祐司さんから見た私は・・・、どうですか?

 一瞬どう答えて良いか分からなかった。どうにか左手で晶子の頭を更に密着させてから、晶子の顔しか映らない、否、晶子の目しか映らないほどの近い距離で
向き合った状態で、俺は答えた。

明らかに美人で、プロポーションも良くて、贅沢はしないし言わない・・・。
何時も朗らかで品が良くて、家事万能で、俺にひたすら尽くしてくれる・・・。
八方美人の気があって、時々やたら頑固になったり、押しが強くなったりする・・・。
そんな晶子を俺は全部愛してる。

 言ってから、気になるところまで言ったのはまずかったかな、と思ったが、晶子は心底嬉しそうな微笑を浮かべて、「嬉しい」と一言言って俺に軽くキスをして
眠りに落ちた。俺もそれを見て、安心すると急に意識が遠くなった。目覚めは晶子の声で、何時もと変わらない2人の朝だった。

「思い出したようですね。」
「聞いておいて今更だけどな。」
「こういうことはしっかり覚えてるものなんですよ。私の場合は、ですけどね。」
「俺が忘れっぽいだけかもな。」

 誤魔化しとも言える苦笑いを浮かべて、俺は蛇口を捻る。流れる水に泡に包まれた食器や料理器具を晒して、同時に手で擦って泡を落とす。湯は使わない。
店でも使ってないし晶子も使わないし、俺も湯は風呂場でしか使わないから、自然とそうなる。
2人がかりで食器とかも少ないから、洗い物は直ぐ終わる。十分水を切って洗い桶に入れて、自分の手を洗って完了。料理は殆ど晶子に任せっきりだから、洗い物くらいは
出来るようにしておかないとな。そのためには自分から動くのが一番だ。

「お茶、入れますね。」
「後でも良いぞ。」
「祐司さん、午前中殆どずっと詰めてましたから、お茶でも飲んで少しゆっくりしてください。」

 試験勉強に没頭してたし、今までそんな感じだったから自分では実感がなかったが、晶子に言われて結構肩がこっているのに気づく。MIDIデータを作る時ほどじゃ
ないが、休憩を挟みながら断続的に、というほど器用に出来てないからな。

「手伝おうか?」
「いえ、私1人で大丈夫です。待っていてください。」

 手伝うと言ってもせいぜいカップを出したり運んだりだが、こうして言ってみても晶子が「手伝って」と言ったことは殆どない。俺が手伝うより晶子1人でした方が
スムーズに進むと思うのは、俺の勝手な見方だろうか。だが、食器の場所を一応ここの家主の俺よりよく知ってるのは晶子だというのも事実なんだよな。
晶子に言われたとおり、食事をする机の前に座って待つ。暫くして、注ぎ口から湯気を立ち上らせる紅茶のポット、2人分のカップが運ばれてくる。カップが並べられて
そこに琥珀色の液体が注ぎ込まれる。入れたての紅茶は基本的に何も入れないのが晶子の入れる紅茶の飲みかただし、その方が味がよく分かる。

「ミントだな。」
「ええ。分かりやすい香りですよね。」

 すうっとする香りを堪能してから、入れたての紅茶を啜る。バイトに行くまでのもう暫くの時間を試験勉強に向けるだけの気力が充実する。やっぱり適度に休憩は
必要だな。自分1人じゃコントロール出来ないのが少々情けないが、晶子に助けてもらってるというのは素直にありがたい。

「後期試験も、丁度折り返し地点というところですね。この土日はその中休みで。」
「そうだな。かなり詰まってるから、ようやくっていう気持ちとまだ半分あるのかっていう気持ちがあるな。」
「祐司さんは国家資格の関係で試験科目が増えてるんですよね?」
「ああ。4年は卒研に集中したいから、今回で押さえられるものは全部押さえておきたい。」
「祐司さんなら大丈夫ですよ。」

 こうして励ましてもくれる。俺は自分のことで手がいっぱいなのに、晶子は弁当を含めた食事の用意や、俺の家に居る時は洗濯もしてくれる。「自分の分もありますから」と
言って、俺には試験勉強に専念させて洗濯をしてくれている。
今日も晶子が朝来て早速洗濯に取り掛かったから、洗濯機がある脱衣所を兼ねた場所とこの部屋には結構な数の洗濯物がぶら下がっている。その中には当然、
俺と晶子の下着もあるが、晶子の下着を見てもそれを取りたいとか、そういうことは思わない。
 電話がコール音を鳴らし始める。母さんかな?試験期間中は電話を控えてくれとは言ってあるんだが−就職云々で長くなるから−、居留守を使うわけには行かないしな。
「試験期間中なのに何処行ってた」とか余計話がややこしくなる。
俺は立ち上がろうとした晶子を手で制して、席を立って机の隅に置いてある電話の受話器を取る。

「はい、安藤です。」
「あ、兄貴?俺、修之だよ。」

 この声は間違いなく修之のもの。俺の電話には実家のお古を譲り受けたのもあって、留守番電話機能はあるがナンバーディスプレイなんてものがない。
だから何処からかけてきたのかは確認出来ない。今のところ、それで困ったことはないから良いと思ってる。

「どうした?修之。何だか興奮してるみたいだが。」
「受かったんだよ!小宮栄大にさ!」

 修之は弾んだ口調で合格第一報を告げる。

「本当か?!」
「勿論さ!今、小宮栄大の合格者受験番号が張り出されてる掲示板の近くに居るんだけどさ、間違いなく受かってる!10回確認したから間違いない!」
「よくやったな、修之!おめでとう!」
「兄貴と井上さんが正月に教えてくれたからだよ!サンキュ!兄貴!」
「合格出来たのはお前の実力があったからだ。ちょっと待て。晶子に代わる。」
「あ、お願い!俺も直接礼言いたいから!」

 俺が受話器から手を離して振り向くと、既に晶子が隣に居た。やり取りで分かるだろうな。

「晶子。弟の修之から、小宮栄大に合格したから礼が言いたいって。」
「分かりました。」

 晶子は俺から受話器を受け取る。俺は隣でやり取りを見守ることにする。

「もしもし、お電話代わりました。井上です。・・・そうですか。おめでとうございます。・・・いえ、祐司さんと私が受験したんじゃないんですよ。修之さんが
受験したんですから、自分をいっぱい褒めてあげてください。・・・大丈夫ですよ。修之さんの力なら、次の活路も十分開けますよ。・・・じゃあ、祐司さんに戻しますね。」

 晶子から受話器を受け取って、再び耳に当てる。

「父さんと母さんには連絡したのか?」
「まだ!先に兄貴と井上さんに連絡したんだ!受験勉強で助けてもらったからさ!」
「じゃあ、後で電話してやれ。次は・・・新麻生大だったよな?」
「そうそう!だけど、今の俺なら出来そうな気がする!」

 インターホンが鳴る。流石にこの状態じゃ出られない。晶子が返事して玄関に向かう。一旦電話を止めてドアチェーンを確認するように言う。晶子が頷いたのを見て、
電話に戻る。

「お前なら出来る。この調子で次も掲示板にお前の受験番号を張り出させてやれ。」
「おう!ありがとう!兄貴!井上さんにも改めて礼言っといて!」
「分かった。本当によくやったな、修之!おめでとう!」
「ありがとう!じゃあ、また次電話するから!」

 興奮が冷め遣らぬまま、修之は電話を切る。大学からだとすると携帯だな。修之は去年から携帯を持ってるし、俺が携帯を持ってるってことは話し忘れてたし。
実家に電話するより先に俺と晶子に礼を兼ねた電話を入れたところからするに、余程正月に勉強を見てやったのが修之には嬉しかったようだ。

「あの、いえ、ですから要りませんので・・・。」
「まあまあ、そんな固いこと言わないで3ヶ月、ね?」

 玄関口で晶子が珍しく応対に困っている。聞こえてくる低くてねちっこい声は、どうやら新聞の勧誘のようだ。ったく、しつこいな。折角の気分が台無しに
されちまうじゃないか・・・!俺は受話器を置いて玄関に向かう。

「ねえ、頼むよ奥さん。洗剤と商品券サービスするから。」
「あの、ですから・・・。」
「うちは新聞読まない主義だ。帰ってくれ。」

 晶子の隣に進み出て、強い調子で言う。ドアの隙間にご丁寧にも足を突っ込んで顔を覗かせていた男は、俺の強い口調で少し怯んだようだ。

「あ、ご主人?」
「そうだ。繰り返すが、新聞は取らない。要らない。帰ってくれ。」
「若いうちは新聞を読まないと・・・」
「要らないって言ったら要らないんだよ!何回言わせるつもりだ!」

 我慢の限界だ。こんな押し売りに付き合ってられるか。こういう時はひたすら強気でいかないと駄目だ。少しでも甘い顔をすると、気持ちが揺れてると錯覚して
粘ってくるからな。

「何処の新聞だ!今から警察に押し売りに来てるって電話してやるから言え!」
「そんなことまでされるくらいなら、良いよ。」

 俺が更に言うと、男はようやく諦めたらしい。最後はいかにも嫌そうな顔で舌打ちして、自分からドアを閉める。何様のつもりだ、という捨て台詞が聞こえるが、
足音は遠ざかっていく。鍵を閉めて・・・これでよし。思わず溜息が出る。

「ったく、どうして新聞屋はあんなにしつこいのやら・・・。」
「・・・御免なさい。しっかり断れなくて・・・。」
「晶子が謝る必要なんてないさ。ドアチェーンをかけておく必要が分かっただろ?」
「はい・・・。」
「それなら良い。さ、戻ろう。」

 俺が晶子を促すと、晶子はいきなり俺にきゅっと抱きつく。背中に両腕を回して俺の肩口に頬擦りを繰り返す。

「晶子?」
「良かった・・・。頼もしい男性(ひと)が一緒に居てくれて・・・。」
「頼もしいって、あれくらいで・・・。」
「祐司さんにとっては『あれくらい』って言えることでも、私1人じゃ出来なかったんです・・・。祐司さんが居てくれて良かった・・・。」

 晶子は新聞屋の勧誘を受けたことがないのか?実家でのことは詳しく聞いてないからあまり知らないが、少なくとも新京大学に入り直すことでこの町に移り住んでからは
経験がないだろうとは簡単に予想出来る。
 晶子が居るマンションは女性専用、しかも郵便や宅配業者でも予め登録してあるところしか、それでさえ共通ポストのあるところまでしか入れない頑強なセキュリティに
守られてる。それより奥に踏み込むにはそのマンションの住人しか開ける手段がないという念の入れようだ。新聞屋が入り込む隙は何処にもない。
そんな純粋培養の環境での生活が長いから、「家に居れば妙な勧誘を追い返す」ということが薄らいでいても何ら不思議じゃない。俺の家に頻繁に出入りする
−出入りするというより半分住んでいるような状態だが、その期間でも今まで新聞屋をはじめとするしつこい勧誘はなかった。だからさっきの勧誘は、晶子にとっては
不慣れ且つ対応に困窮する事態だったと言える。

「それに祐司さん・・・、新聞屋さんに主人かって尋ねられた時、即座に肯定しましたよね。」
「ああ。・・・妙に戸惑ったりしたら余計にややこしい事態になっただろうし。」
「良かった・・・。夫が居てくれて・・・。本当に良かった・・・。嬉しかった・・・。」

 頬擦りを続ける晶子の顔は、心底嬉しそうで幸せそうだ。そんなに感動するほどのことかな、とも思うが、俺が大学で晶子との関係を公言した時や、それよりずっと
以前から、俺からの初めての誕生日プレゼントであるペアリングを結婚指輪として俺との関係を有形無形問わず公言していた晶子には、「自分には夫が居る」と改めて
確信出来るだけの出来事だったようだ。
 俺とて晶子との関係には少しも飽きて居ない。他人から見ればままごと遊びの延長線上かもしれないが、周囲に公言している晶子との関係は今の俺にとって何物にも
代えられない幸せであることには違いない。・・・そうだ。俺と晶子は夫婦だよな。

「・・・妻が困ってる時にどうにかしようとするのは、夫である俺の当然の役目だろ?」
「その当然は、私に夫が居なかったら、祐司さんが居なかったらありえないことなんですから・・・。」
「・・・そうだよな。」

 頬擦りを続ける晶子を、俺は優しく抱きしめる。俺にとっては「あれくらいのこと」でも−此処で住み始めてから半月ほどは監視でもしてるのか知らないが新聞屋の
勧誘が次から次へと押し寄せたもんだ−晶子が喜んでくれるなら、俺との関係が幸せだと感じてくれるなら、晶子が幸せなところを見られるなら、俺も幸せだ。
 「あのくらいのこと」でも良かった、幸せだ、と感じてそれを噛み締める晶子。それは俺との関係を心底何物にも代えられないものと位置付けている晶子の心境の
表れでもある。晶子の幸せを現実のものにするのが俺の責任だ、と以前耕次は言った。確かにそうだ。だが、重みに感じるだけじゃない。俺は今、確かな幸せを持っていて、
それを法的根拠を持つものにしたいという俺の願いでもある。今がまさにそうなんだ、と晶子と同様今の幸せを噛み締める。俺は晶子を抱きしめることで・・・。

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