雨上がりの午後

Chapter 129 そして迎える優しい朝

written by Moonstone


 ・・・視界が徐々に白んでくる。意識にかかった霞が晴れていく。
目の前に広がるのは・・・天井か。
改めて思い返してみると・・・。
 俺は久々に朝に目を覚まして眠気を水シャワーで取っ払って、出かける準備をして少し待っていたら晶子がやって来て・・・。
免許取って以来初めて車を運転して晶子が行きたかったと言う「別れずの展望台」とやらに行って・・・帰って来て・・・。
晶子の家で夕食を食べて・・・俺は晶子と・・・晶子と・・・!
 俺は左側を見る。しかし、晶子の姿はない。
夢だった・・・?否、違う。
あのテーブル、そしてこの掛け布団。これは間違いなく晶子の家のものだ。
念のため俺は掛け布団を少し捲って中を覗きこむ。・・・裸だ。
俺は掛け布団を元に戻して天井を見上げる。口元が自然と緩んでくる。
目を閉じると、このベッドの上で展開された光景と声と物音が次々と、しかも鮮明に脳裏に浮かんでくる。

「・・・じさん。・・・祐司さん?」

 聞き慣れた繊細な声で、俺は一気に現実に引き戻されて跳ね起きる。
見ると、昨日とは違って淡いブルーのブラウスとズボンというシンプルな服装にエプロンを着けた晶子が少し前屈みになって首を傾げている。
髪はポニーテールなのは昨日と、否、何時もの月曜と同じだ。

「あ、お、おはよう。」
「おはようございます。・・・もしかして、起こしちゃいました?」
「い、いや、少し・・・、否、ついさっき目が覚めたばかり。」
「そうですか。もう直ぐ朝御飯出来ますから、待っててくださいね。」
「あ、ああ。」

 俺が取り繕っているのが見え見えな返事をすると、晶子は笑みを浮かべると踵を返して部屋から出て行く。何事もなかったかのようだ。
晶子にとっては何でもないことだったのか?昨夜は今までしなかったこともしたりされたりしたっていうのに・・・。
俺は少しがっかりしながら布団から出て服を着る。あれ?下着が代わってる。この辺は抜かりないな・・・。
 服を着終えてベッドに腰掛けて待っていると、ドアが開いて晶子が入ってくる。その手には微かに湯気が立つトレイがある。

「味噌汁とご飯持って来ますから。」

 テーブルに湯気の原因であるところのハムエッグと千切りキャベツが盛り付けられた皿とコップと箸を二つずつ並べて置くと、晶子は小走りで出て行く。
次はお玉が入った片手鍋。次は炊飯ジャー。最後に茶褐色の液体が入った、表面に水滴が浮かぶ瓶。
晶子が手際良くご飯と味噌汁をよそい、最後に麦茶をコップに注いだところで、俺は「指定席」に腰を降ろす。晶子もエプロンを外して「指定席」に座る。
 声を合わせて、いただきます、と唱和してから俺はまず味噌汁を啜る。程好い熱さの味噌汁が喉に心地良い。
俺は味噌汁の器を置いて軽く溜息を吐く。何時もの火曜の朝と変わらないな。メニューは多少違うけど。
 双方無言のうちに食事は終わる。ほぼ同時に終わったのもこれまた何時もの火曜の朝と変わりない。
揃ってご馳走様、と唱和した後、晶子が手早く食器をテーブルから片付け、コップに麦茶を注いだ後、晶子はトレイを持って部屋を出て行く。
何だか・・・呆気ないと言うか、味気ないと言うか・・・。俺は麦茶を一口飲んで、ふう、と溜息を吐く。余韻に浸るっていう雰囲気じゃないな・・・。
 麦茶が半分ほどになったところで、晶子が戻って来る。そして黙って俺の隣に座る。
俺が前を向いて麦茶の入ったコップを手にしたところで、俺の左肩に軽い衝撃に続いて重みが加わってくる。

「夜は・・・凄く幸せでした・・・。」

 コップを口に運ぼうとした俺の手が無意識に止まる。
晶子の方を見ると、その言葉どおり幸せそうな微笑みを浮かべている。

「晶子・・・。」
「何でもなかったように見えたんでしょ?」
「・・・ああ。」
「そんなわけないじゃないですか・・・。夜・・・、祐司さんが私にしたことも、私が祐司さんにしたことも、全部憶えてますよ・・・。」

 晶子の言葉をきっかけにして、再び脳裏に昨夜の光景と物音と声が鮮明に再現される。
俺が恐る恐る晶子の肩に手をかけると、左肩にかかる重みが増す。晶子は本当に幸せそうな笑みを浮かべて、頬をほんのり赤らめている。

「何事もなかった様子だったから、てっきりそう思ってるのかと・・・。」
「どう切り出せば良いか分からなかったんですよ・・・。祐司さん、もしかしたら私のこと、はしたない女だ、って思ってるんじゃないかと思って・・・。」
「・・・綺麗だったよ。それに・・・幸せだった・・・。」
「嬉しい・・・。」

 晶子はうっとりした表情で目を閉じる。余韻に浸っている、という表現が相応しい。
俺の前で全てを曝け出し、尽くしてくれた晶子を綺麗だとは思っても、はしたない、なんて思うもんか。
良かった・・・。昨夜のことは晶子にとって何でもないことじゃなかったんだ・・・。
 俺は晶子の肩を抱いたまま目を閉じる。昨夜俺が晶子にしたこと、晶子が俺にしたことを思い返す。
思いつく限りのことを晶子にしたし、晶子が俺にしてくれた。
久しぶりだったとは言え、本当に力の限り晶子を愛したし、晶子に愛された。想いの丈を晶子の内にも外にも解き放った。本当に激しかった。
終わった後、どうにか晶子の横に身体を横たえたんだが、その後は憶えていない。

「愛している人にだから・・・、全てを曝して・・・全てを尽くしたんです・・・。」
「・・・。」
「私は・・・壁を作っていたと思うんです。祐司さんが慎重なのを良いことに、祐司さんが健康な男の人だという厳然たる事実を私の頭からも、
祐司さんの頭からも排除させていた・・・。貴方はこの壁を越えて私の家という聖域に入ったんだから、男の人であるという事実を捨てるよう、私自身にも
祐司さんにも強制していた・・・。そう思うんです・・・。」

 そうかもしれない。此処は晶子の家、しかも女性専用のマンションだという印籠を突きつけられてある意味臆病になっていた。
その気になれば何時でも手を出せた筈だ。
風呂上りで白い肌を上気させ、色気を発散させている女が自分の直ぐ傍に居るのに手を出さなかった、否、出せなかったのは晶子が言うとおり、
此処に来た以上は男であることを忘れなければならない、という強力な圧力を伴う落し蓋が俺の第一次欲求を押さえ込んでいたからだと思う。
 それに加えて、俺の家のみならず、此処ででも一度ことに及べば、もうストップがかけられなくなるんじゃないか、ただ身体を求めるだけの関係に
なってしまうんじゃないか、というある種の恐怖感があったのも事実だ。
そうなってしまったらその後が怖い。
俺がその気になっているのに晶子が拒否したら俺は多分、否、きっと怒るだろう。
そこで絆に−それが絆と言えるものなのかどうかは怪しいが−小さな亀裂が生じ、それがどんどん増えていき、最後には全てが繋がって大きな裂け目と
なって絆を分断する。
後に待っているのは・・・どうしようもない気まずさだけだろう。

「それで良かったんだと思う・・・。当の本人が言うのも何だけど、男ってやつは一度・・・変な言い方だけど・・・女の味を占めるとそう簡単にストップが
かけられないんだ・・・。そこにその女が好きだという感情が絡むと尚更・・・。だから此処に、晶子の家に居る時は、俺が男で晶子が女だという根本的な課題を
棚上げしていたように思う・・・。」
「苦しいんでしょう?男の人って。」
「生々しいこと言うけど・・・、晶子と寝た時のことを思い出して処理してた。それ以前に、毎日を過ごしていく中で都合良く忘れていたっていう側面もある・・・かな。
あっという間の毎日だったからさ・・・。」
「・・・。」
「口でどれだけ、好きだ、とか、愛してる、とか言ってても、陰じゃそうしてるもんなんだよ・・・。欲望を自分で処理するか、激しい時の流れの中に
放り捨てているか・・・。だから・・・、俺に憧れなんか持たない方が良い。くだらないから。」

 我ながら良く出来たと思う自嘲の言葉を並べると、晶子は微笑みながら首を横に振る。

「祐司さんは私を真剣に愛してくれているから、無意識のうちに我慢したり、ほんの小さな隙間から出て来た欲求を処理していたんだと思うんです・・・。
祐司さんが言ったように、なかなか自分自身にストップがかけられないということを分かっているから、そうならないように予防措置を施していたんだと
思うんです・・・。」
「・・・。」
「だから私は・・・、そんな祐司さんの懸命な努力を一瞬にして無にするようなことをしてしまったのかもしれません・・・。でも、これだけは分かって欲しいんです。」

 俺の左手に柔らかいものが重ねられる。そして強く握られる。
俺の顔が映る晶子の瞳は真剣で、何かを懸命に訴えているのが分かる。

「私は・・・祐司さんを愛してます。本当に。真剣に。だから・・・欲しかったんです。祐司さんの全てが。」
「晶子・・・。」
「あんなところを見せておきながら何を今更、と思うでしょうけど・・・、私は・・・本当に・・・。」

 俺は晶子の唇を自分の唇で塞ぐ。ん、というくぐもった声が一瞬だけ浮かぶ。
目を閉じているからどんな表情なのかは分からないが、晶子の言いたいことは十分分かったつもりだ。
だからもう言わせたくない。自分で自分を責め立てるだけになってしまうから。
そんな晶子の顔は見たくない。今までで十分見せられた。もう十分だよ、晶子・・・。
 晶子の身体から力が抜けたのを感じてから、俺は晶子の口を覆っていた唇をそっと離す。
目を開けて見ると、晶子は眠っているような安らかな表情をしている。やがて晶子がゆっくり目を開ける。

「晶子が言いたいことは・・・分かったつもりだよ。だからもう良い。俺が晶子を真剣に愛してることが伝わってることと、晶子が真剣に俺を愛して
くれてるってことが改めて確認出来たから。」
「祐司さん。」

 晶子は涙で潤んだ瞳を瞼で閉ざし、歓喜の表情を見せてから俺にがばっと抱きついてきた。
俺は自分でも心が安らぎ、温まるのを感じながら、晶子を優しく、しっかり抱き締める。

「これで終わりじゃ・・・ないんですよね?」
「そんなわけない。昨日、あの展望台で願掛けしたばかりだろ?そうでなくても、終わりになんか・・・するもんか。」
「祐司さん・・・。」

 俺の左頬で滑らかな感触がゆったりした間隔で前後に揺れる。
その心地良さに俺は自然と目を閉じて、よりその感触をはっきり感じようと顔を左右に動かす。
指数関数的に愛しさが膨らんでくる。俺は晶子をしっかり抱き締める。
離さない。離すもんか。絶対に・・・。
俺が今抱き締めている愛しい存在を・・・離してなるものか・・・。

 結局バイトの時間になるまで晶子の家に居座ってしまった。
俺が言い出したわけでもなく、晶子が言い出したわけでもない。
一頻り抱き合った後俺が風呂に入ってからは−晶子は俺より先に目を覚まして風呂に入ったそうだ−、昼食の準備と後片付け、そして日記付けの時を除いて
ずっと、俺と晶子は隣り合った「指定席」に座っていた。それが自然なことのように。
 その間何をしていたかと言えば、大半は会話だった。
内容は主に将来のこと。どうしてもそっちの方向に話が向かってしまった。
だが、休みが明けて少ししたら前期試験があって、その後には進路の決定がいよいよ現実味を帯びてくる。
言い換えれば、もう結論の先延ばしが出来ない時期が迫って来ているわけだし、今後も晶子との絆を維持していくことも考えれば、話の方向がそっちに
向かうのは必然的だったと言える。
 話しているうち、俺の発する言葉は悩みと言うか迷いと言うか、そんなものばかりになってしまった。
この期に及んでもまだ自分の将来を明確に出来ないことが、もどかしいを通り越して情けない気分になった。
俺が所謂「真っ当な道」を歩むのか、それとも音楽の道を歩むのかで晶子との触れ合いの時間の取り方が大きく変わってくるというのに、肝心の俺が
進行方向を迷っていてはどうしようもない。
考えれば考えるほどどちらの道を選べば良いのか分からなくなって、最後に出たのは溜息、という有様だ。
 それにも関わらず、晶子は真剣に俺の話を−戯言と言うべきか−聞いてくれた。
そして、俺がどちらの道を選ぶにしても触れ合いの時間を持つようにしよう、ずっと一緒に居よう、と言ってくれた。
その言葉を改めて聞けただけでも心強く思えた。同時に、俺独りだったらどうなっていたんだろう、と思って怖くもなった。
・・・そっちの方向は考えない方が無難だな。
 夕闇の足音が聞こえ始めた空の下、俺と晶子は「通勤路」を歩く。
時折遠くで車の走行音が浮かんでは消えるだけの静かな住宅街は、ちょっとしたデートコースでもある。
何度も歩いた筈の道なのに、今日は何だか違う気分を感じる。
やっぱり・・・熱い夜を過ごした後だからだろうか?俺の心の中にはまだ余韻があるようだ。
晶子はどうなんだろう?聞いてみたい気もするが、聞くべきものじゃないだろう。
 前方に、緑の小高い丘とその頂上に立つ洒落た洋風の白い建物が見えてきた。俺と晶子が同じ時間を過ごすもう一つの場所・・・。
たった1日だけ間が空いただけなのに、何だか不思議と新鮮な風景に思える。
バイトを始めて間もない頃のようだが、あの時と今とでは決定的に違うことが一つある。
 点々とした石畳を歩いて丘に上り、「OPENING」のプレートがかかったドアを開ける。カランカラン、という軽やかなカウベルの音が響く。

「「こんにちは。」」

「いらっしゃいませ。あら、今日はどうしたの?」

 潤子さんの声が俺と晶子を出迎える。

「どうした、って何がですか?」
「仲良く手を繋いでるじゃないの。」

 潤子さんに言われて、ようやく俺は今の晶子との状況に気が付く。
俺は晶子と手を繋いで来たんだった。手を繋いだのが何時何処だったかも思い出せないほど自然に手を繋いでいたということだ。少なくとも俺は。

「羨ましいですか?」
「あら、言ってくれるわね。晶子ちゃん。何か良いことあったの?」
「さあ。」
「ふふっ、とぼけちゃって。良いことありました、って顔に書いてあるわよ。」

 潤子さんは楽しそうに微笑む。晶子は嬉しそうに微笑んでいる。
俺と晶子は此処へ来てようやく手を離し−名残惜しいのは勿論だが−、カウンターに並んで座る。何時もの席に、何時ものように。
ふと客席を見ると、かなり混んでいる。どうやら今日も忙しい日になりそうだ。
建物の雰囲気に合わせた白いテーブルと椅子の組み合わせで出来た森の中から一匹の、否、一人の熊が小走りで出て来る。

「おっ、今日も仲良く揃って出勤か。」
「「こんにちは。」」
「こんにちは。元気が良いな、結構結構。あ、サンドイッチセットをコーヒーで2つ。5番テーブルな。」
「はい。コーヒーの方はお願いね。」

 潤子さんは手際良く二人分の食事を用意しながら返事をする。
程なく食事の準備が整い、潤子さんが食事の乗ったトレイを両手に持ってカウンター越しに差し出す。

「はい、どうぞ。」
「「いただきます。」」

 俺と晶子は食事の乗ったトレイを受け取ってテーブルに置き、早速食べ始める。
ご飯に豆腐の味噌汁、回鍋肉に胡瓜ともずくの酢の物というメニューだ。
潤子さん手製の料理は本当に美味い。勿論、晶子の料理と共に天秤に掛けられたら、どちらに傾くか以前に晶子の料理を選ぶけど。
 ほぼ同時に食べ終わり、ご馳走様でした、という言葉を添えてトレイごと食器を差し出す。
コーヒーを沸かしていたマスターがそれを受け取ったのを見て俺と晶子は席を立ち、カウンターの内側に入る。
俺は着替え、晶子はエプロンを着けて髪を束ねるためだ。食事の終わりは同時にバイトの始まりでもある。
 俺はさっさと着替えてふと鏡を見る。
普段は襟が曲がっていないかどうか念のためチェックするだけなんだが、何となく今日は鏡に映る自分が気になる。
襟は・・・曲がってない。髪も・・・乱れてない。何故だろう?自分自身でも何とも言えないものを感じる。
念のために襟を整え直し、髪を手櫛で梳いてみる。・・・よし、これでOKだな。

「ほう、あそこへ行ったのか。」
「マスターも知ってるんですか?」
「知ってるも何も、俺と潤子も結婚前に行ったんだよ。」

 店の方から声が聞こえて来る。
俺が小走りでキッチンに出ると、エプロンを着けて髪を束ねた晶子が少し驚いたような表情をしていて、マスターはコーヒーのサイフォンをかき回しながら
明るい表情を晶子に向け、潤子さんも楽しそうな表情でサンドイッチを作っていた。

「何の話ですか?」
「おっ、昨日井上さんと『別れずの展望台』で願掛けして来たんだって?」
「え、はい。」
「どうりで井上さんが、いきなりあそこへの行き方やレンタカー会社の場所を聞いて来たわけだ。」

 マスターはアルコールランプをサイフォンの下から退ける。
潤子さんは一見聞いていないようだが、その楽しそうな横顔が話を聞いていることを如実に物語っている。当時を思い出しているんだろう。

「これでもう一組結婚確定のカップル誕生、ってわけだな。めでたいめでたい。」
「え、いや、あの、結婚はまだ先の話で・・・。」
「堂々とお揃いの指輪を左手薬指に填めていて、その上あそこへ願掛けに行っておいて、今更何を言う。」
「祐司君。もう逃げ隠れは出来ないわよ。」

 それまで黙っていた潤子さんが不意に俺の方を向いてウインクしたと思ったら、何事もなかったかのように皿を取り出して手早く形良く直角三角形の
サンドイッチを盛り付けていく。
俺は小さい溜息を吐いて頭を掻く。参ったな・・・。今度は式場の相談になる・・・のかな?

「祐司君。早速だけどこれ、5番テーブルにお願いね。」
「あ、はい。」

 俺は我に帰って潤子さんからサンドイッチの乗った皿を二つ受け取る。
それと時を合わせてドアが開き、カランカラン、という軽やかなカウベルの音と共にスーツ姿のOL風の女性が3人入って来る。初めて見る顔だ。

「「「「いらっしゃいませ。」」」」
「へえ。良い感じのお店じゃない。あんたの情報にしては随分正確ね。」
「どういう意味よ。」
「止めなさいよ、二人共。あ、席空いてます?」
「3名様ですね?ご案内します。どうぞ。」

 晶子がキッチンから出て3人を先導して客席へ向かう。俺はサンドイッチの乗った皿を両手に持ってその後を追う。
どうやら今日も忙しい日になりそうだ。仕事に励むとするか。
終わったら何が待っているのかは見え見えだけど・・・。

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