Moonlight PAC edition 号外 2002.5.17発行
編集、発行:Moonlight PAC版編集委員会
声明:有事法制に断固反対する
基本的人権を破壊し、米軍への戦争協力をより可能にする法制度
井上晶子:2003年度通常国会の5月15日の衆議院本会議で、有事法案が強行採決されました。芸術創造センターは本号外で改めて有事法制に反対する声明を発表します。

・現在開会中の通常国会でイラク問題や北朝鮮問題を口実にした有事法制が、与党三党と本性を表した自民党の亜流である民主党と自由党により強行採決された。芸術創造センターはこの暴挙に厳しく抗議する。

・有事法制は元々アメリカ高官の日米軍事協力のための指針(所謂「ガイドライン」)の円滑な運用を、という圧力と日本の右翼政党であり与党でもある自民、公明、保守新党三党の他、自民党の亜流である民主党、自由党などの長年の宿願である「何時でも戦争が出来る国家づくり」が合流して生じたものであり、イラク問題や北朝鮮問題は国民の不安を煽る為の材料に過ぎない。

・そもそもイラク問題は、アメリカなどが国連憲章、国際法を公然と踏みにじって始めた違法、無法な介入・侵略戦争であり、その「復興」は国連主体で行われるべきである。アメリカなどは戦争犯罪国として厳しく裁かれなければならず、イラクのインフラ復旧とイラク国民に対する誠意ある謝罪をしなければならない立場である。日本は公然とイラクの石油利権支配を目論むアメリカ主導の「復興」に手を貸してはならない。

・核兵器開発問題、拉致問題など北朝鮮に関わる問題はどれも深刻である。しかし、これらは日朝平壌宣言でも明示されたとおり、「包括的に」そして平和的な外交努力によって解決すべき問題であり、軍事力に訴えるのは朝鮮半島を始めとする北東アジアに軍事的緊張を拡大するだけで何も進展は得られないし、北朝鮮の態度を硬化させ、問題の解決をよりこんなんにするばかりである。

・有事法案はこれまでの自民党政権ですら「憲法で禁じられた集団的自衛権に抵触する」と言っていた行動に堂々と踏み出す危険極まりない法案である。法案は日本が攻撃された時のみならず、アメリカの軍事活動を「周辺事態」や「テロ対策」の名で支援する自衛隊への武力攻撃の予測(予測と判断するのは主権者である国民ではない!)で発動する。しかも地方自治体や指定公共機関、そして国民を罰則付きの強制力を以って総動員するのである。有事法案では国民の自由と権利が制限されることが明記されており、「公共の福祉」、即ち戦争体制の構築のために反戦運動や報道が際限なく規制される危険性が極めて高い、違憲が明らかな法案である。

・創造と構築で構成される芸術と、破壊と殺戮で構成される戦争とは決して相容れないというのが芸術創造センターの基本理念である。その理念にのっとり、芸術創造センターは有事法制に断固反対し、アメリカ追従外交からの脱却と非武装中立の日本の構築を目指す世論を強く大きくすることが緊急に求められるものと考える。

2002.5.17
Moonstone Studio芸術創造センター


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