Moonlight PAC edition 第26号 2003.5.3発行
編集、発行:Moonlight PAC版編集委員会
憲法記念日にあたって−芸術創造センター運営委員会声明−
世界に誇るべき平和憲法を見詰め直そう
[日本国憲法を今こそよく読もう!]
安藤祐司:芸術創造センターは定例会議を開催し、本号発行の5月3日、憲法記念日を迎えるにあたっての声明を発表しました。以下にその全文を示します。連休明けにも与党が有事法案の衆院通過を狙う中、今一度日本国憲法を見直してみませんか?

 5月3日は日本国憲法の施行日として祝日とされている。今年も各地で護憲、改憲それぞれの主張が展開されるだろう。

 日本国憲法は前文で「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し」と謳っている。既にここで国際協調による恒久平和と日本国民の自由に言及している。
 更に先の戦争が政府の天皇絶対体制のもとによって齎され、「大東亜共栄圏」の名の元に多数の国民とアジア人民に甚大な被害を齎した痛苦の反省に立って、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し」「平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」と徹底した平和主義を謳っている。そしてそれは日本国民のみならず「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認」し、「国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ」と宣言している。更に第9条においては「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄」することを謳い、この目的を達成するために「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」と戦力と戦争行為の放棄を宣言している。
 その他、基本的人権について「侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる」とし(第11条)、「人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において,差別されない」と国際社会を意識した法の下の平等の原則を掲げ(第14条第1項)、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」(第19条)、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する」(第21条第1項)と明記している。これらは世界に誇るべき主権在民、基本的人権の尊重を謳った条文である。

 しかし、これら基本的人権を保障した日本国憲法が、今存亡の危機に瀕している。
 現在2003年度通常国会有事法制特別委員会で審議されている有事三法案(有事法案)は、「有事」の名の元に日本国憲法の事実上の死文化を狙う内容である。例えば、有事法案は攻撃が発生した事態とその危険が切迫した場合(「武力攻撃事態」)や攻撃が予測される時(「武力攻撃予測事態」)においても発動される仕組みになっている。これは政府の主観で何時でも戦時体制に突入出来ることを如実に示している。同時に、第9条で放棄した「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使」そのものである。
 更に有事法案では、「侵すことのできない永久の権利」と憲法で定められた基本的人権を侵害する内容となっている。有事法案の一つ、武力攻撃事態法案第3条では「国民の自由と権利・・・に制限が加えられる」と明記されているし、集会、報道の自由も「あくまで公共の福祉に反しない限りだ」(福田康夫官房長官)とされ、思想、良心、信仰の自由も「外部的行為がなされた場合、制約を受ける」(政府見解)と、「有事」や「公共の福祉」の名の元に幾らでも制限が加えられることが示されている。これら基本的人権は「国民保護」の名目で、法律によって幾らでも制限できる仕組みになっている。これでは、法律の範囲内しか国民の権利と自由を認めなかった大日本帝国憲法下の状況と何ら変わらない。

 今こそ日本国民は日本国憲法を読み、その条文に謳われた基本的人権を自覚し、「有事」の名の元における戦時体制作りを許さない声を高め、強めるべき時である。そして日本国憲法の条文に掲げられた内容や理想を現実にするべく力を尽くすべきである。
2003年5月3日
芸術創造センター運営委員会
芸術創造センター主幹 Moonstone
感想用掲示板STARDANCEを設置
自由闊達な書き込みを歓迎します
[STARDANCEは作品閲覧者のための掲示板です]
 井上晶子:紹介が遅れましたが、芸術創造センターでは2003年3月1日付で感想用掲示板STARDANCEを設置しました。こちらでは芸術創造センター掲載作品に関するご意見、ご感想はもとより、展開や設定などについてのご質問、登場キャラクターに関するエールなど、常識の範囲内であればネタバレもOKという自由殿高い掲示板です。
 掲示板も掲示板JewelBoxとは違ってツリー型ですのでより使いやすく、親記事と子記事を一覧することも可能です。管理人もネタバレに対してはネタバレで対抗する(笑)とのことですので、是非読者の皆様もご利用ください。本紙に関することでも勿論構いませんよ。
相互リンク募集中です!

 担当は私、井上晶子です。
PACでは相互リンクを歓迎します。申し出にはシャットダウンややむを得ない事情の場合を除いて、基本的に遅くとも2、3日後には対応致します。申し出や問い合わせは以下の宛先までお願いします。

msstudio@sun-inet.or.jp
念のために申し上げておきますと、リンクやブックマークは必ずトップページ(http://www.msstudio.org/pac/)にしてくださいますようお願いいたします。ただし、Novels Group 4の作品制作に参加された方で(参加回数は問いません)ご自身のWebページをお持ちの方は、例外としてNovels Group 4への直リンクを許諾しています。
こぼれ話が60000人を突破
Side Story Group1が2600000人を突破
グループ別御来場者数の考察
 担当は俺、安藤祐司です。
 前号発行から約一月が経過しましたが、芸術創造センターのご来場者数は5月2日現在で芸術創造センターは420000人超、Side Story Group 1は260000人を突破しました。また、Novels Group 3の源流である「芸術創造センターこぼれ話」のリスナーがとうとう60000人を突破しました。これはオリジナルコンテンツとしてはダントツのトップであり、日記と連載「雨上がりの午後」が予想外に読まれていることを裏付けるものです。60000人目のリスナーの方は是非メール掲示板JewelBoxまでご一報願います。
 さて、作品掲載量が多くてインデックスが重いSide Story Group 1のインデックス改造の件ですが、ようやく改造が内定しました。Side Story Group 1各担当者会議において、Novels Group 4と同じくインデックスを分離する案が賛成多数で可決されました。これを受けてWebチームが近々改良に踏み出す方針です。
 分離個所ですが、当面完結している「あるまどろみの風景」と連載継続中の「魂の降る里」、現在隔週で更新している「マヤちゃん、ふぁいとぉ!PAC編」を前部とし、以降を後部として分離する方針です。分離時期についての詳細は未定ですが、早ければ5月中に完了すると思われます。
ちょっとお喋り
〜ある喫茶店にて〜

このコーナーの担当はドルフィンリ−ナです。

リーナ:イラク侵略戦争、一応侵略国アメリカの終結宣言が出されたわね。
ドルフィン:だが、これで終わったわけじゃない。無政府状態と化して略奪が横行するなどの治安状況の悪化、ライフラインの破壊による衛生状況、とりわけ子どもや妊婦などの栄養状況の悪化など、解決しなければならない問題は山積みだ。
リーナ:アメリカやイギリスは国連憲章に違反して先制攻撃を仕掛けたんだから、治安の回復やライフラインの復旧に全面的に責任を負うべきよね。
ドルフィン:まったくだ。
リーナ:だけどアメリカは「復興は連合軍主導で行う」と言いつつそういうことには何も手をつけないで居るわよね。手をつけたのは石油資源の警備と暫定政権樹立へ向けての下準備。アメリカの思惑が石油とイラクに傀儡政権を創ることにあることが見え見えよ。
ドルフィン:元々アメリカには、大量破壊兵器を発見するつもりなんて無い。あくまでイラクに先制攻撃を仕掛けるための口実に過ぎない。それはアメリカの政府高官が明言している。アメリカの目的はブッシュ政権の背後にある石油利権の確保と、圧倒的な軍事力を背景にした一国覇権主義を世界に示すことだ。
リーナ:アメリカって言えば、ジャーナリストが詰めていたホテルを砲撃してジャーナリストを死傷させたり、軍事占領に反対するデモ隊に発砲したりしているわよね。自分達がイラクの統治者だ、って勘違いしてるじゃないの?
ドルフィン:そのとおりだな。アメリカは従軍メディアを利用して侵略戦争を愛国心を−この愛国心とやらが曲者なんだが、それを高揚させる一方で、侵略戦争の実体を伝えるジャーナリストを邪魔者と見なして抹殺を狙う。傀儡政権樹立に不要なイラク市民の抗議を邪魔と見なして排撃する。侵略者アメリカの姿をまざまざと見せ付けていることに、当人達は快感を感じているんだろう。自分達が世界の警察官だと信じて疑わない、右翼国粋主義の集団だからな、アメリカは。
リーナ:そんなアメリカの姿勢を支持する日本の政府は情けないを通り越して馬鹿げてるとしか言いようが無いわね。そんな政権に審判を下す絶好の機会だった一斉地方選挙でも、与党に大したダメージを与えなかったし、戦争推進勢力の公明党・創価学会を伸長させる馬鹿っぷり。
ドルフィン:全く馬鹿馬鹿しい話だ。当事者にならないと分からないだろうな。
編集後記
安藤祐司:新年度が始まりました。本号発行が少し遅れてしまいましたが、日本国憲法施行日に発行したことで、憲法を見詰め直すきっかけになれば幸いです。
井上晶子:感想用掲示板がようやくオープンしました。まだまだ書き込みが少ないのが残念ですが、年中無休で営業しておりますのでお気軽にご利用ください。
ドルフィン:イラク侵略戦争は一応終結したようだが、問題はこれからだ。イラク人の手による主権国家樹立に向けて、国連主導で支援と指導をすべきだろう。
リーナ:邪魔だと思えば「自衛」名目でジャーナリストも一般市民も殺傷する。これが侵略国家アメリカの正体よ。こんな国に夢を抱くなんて無知も良いところね。

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